「ホームページのアドレスを変えたいけれど、検索で出てこなくならない?」「お客様が迷子にならない?」——屋号を変えた、独自ドメインにしたい、別のサービスに引っ越したい。そんなときに気になるのが、アドレス(URL)を変えると何が起きるのかです。

結論から言うと、準備せずにアドレスだけ変えると、これまで積み上げた検索の評価やお客様の入口を一度失いかねません。逆に、影響の範囲を知って「転送」と「周知」をきちんと行えば、引っ越しのように落ち着いて移すことができます。この記事では、変えるべきか迷う段階から、変える前にやっておくことまでを、お店の目線でやさしく整理します。

01「アドレスを変える」とは、何を変えること?

まず言葉の整理から。ホームページの「アドレス」とは、ブラウザの上に出てくる https://〜 という文字列(URL=そのページの住所)のことです。そして、その住所の中心になる「店名.com」のような部分をドメイン(お店の表札のようなもの)と呼びます。

「アドレスを変える」と言っても、実は大きく2種類あります。混同するとあとで話がこじれるので、最初にどちらなのかをはっきりさせておきましょう。

変えるものたとえると影響の大きさ
ドメインごと変える
(例:旧店名.com → 新店名.com)
表札も住所も変わる引っ越し大きい(検索・メール・名刺すべてに波及)
ページのURLだけ変える
(例:/info → /about)
同じ家の中で部屋の場所を変える中くらい(そのページのリンクに影響)

このうち、いちばん影響が広いのがドメインごと変えるケースです。お店のメールアドレスや名刺の表記まで連動するため、本記事は主にこの「引っ越し型」を想定して進めます。ページのURLだけを変える場合も、考え方(転送と周知)は同じです。

最初の一歩は、「自分が変えたいのはドメインか、ページのURLか」をはっきりさせること。ここがあいまいなまま業者や知人に相談すると、話がかみ合わなくなります。

02まず確認:そもそも変える必要はある?

意外に思われるかもしれませんが、「変えない」も立派な選択肢です。アドレスの変更は影響範囲が広いぶん、手間もリスクも伴います。「なんとなく古い」「もう少し短くしたい」という理由だけなら、急いで変えないほうがよいことも多いのです。

下の図で、ご自身がどのケースに当てはまるかを確認してみてください。

アドレスを変えるか変えないかの判断フロー図。理由がはっきりしているかで分かれる。 アドレスを変えたい その理由は? 「なんとなく古い」 短くしたい・見た目だけ 不満は特にない ・屋号/ブランドを変えた ・独自ドメインにしたい ・別サービスへ引っ越す 急がない/変えない 無理に変えず、今の評価を 育て続けるほうが得なことも 変える前提で準備 「転送」と「周知」をセットで まとめて一度に行う
図1:はっきりした理由があるときにまとめて変えるのが基本。理由が「見た目だけ」なら、急がない判断も十分にありです。

変えると決めたなら、思い立った日にバラバラ進めるのではなく、転送・各所の更新・関係先への連絡を一度のタイミングでまとめて行うのがコツです。次の章で、変えると実際に何が動くのかを見ていきます。

03アドレスが変わると、現実に何が起きるか

「検索順位が下がる」という話はよく聞きますが、実際に困るのはそれだけではありません。アドレスは、思っている以上にいろいろな場所とつながっています。何も準備せずに変えると、次の4つが同時に揺れます。

アドレスを変えると影響が及ぶ4つの範囲:検索の評価、貼られたリンク・QR・名刺、メール、地図やSNSの登録。 アドレス を変える ① 検索の評価 積み上げが一度リセット されかける ② リンク・QR・名刺 今のアドレス宛てが 切れる(迷子になる) ③ メール 独自ドメインのメールも 切り替わる場合がある ④ 地図・SNS登録 マップ・予約サイト等の URLを更新する必要
図2:アドレスは1か所だけの問題ではなく、検索・お客様の入口・メール・各種登録の4方向に影響が広がります。

① 検索の評価が一度やり直しになりかける

ホームページは、長く運営するほどGoogleからの信頼(評価)が少しずつ積み上がっていきます。アドレスを変えると、Googleにとっては「別の住所のサイトが現れた」状態になり、新しいアドレスを把握し直すまでの間、検索からの流入が一時的に減ることがあります。後述の「転送」を行うと、この評価を引き継ぎやすくなります。

② 貼られているリンク・QR・名刺が切れる

これまでに配った名刺・チラシ・店内のQRコード、他サイトやSNSに貼られたリンクは、すべて「今のアドレス」宛てです。アドレスを変えると、これらをタップしたお客様が「ページが見つかりません」にたどり着いてしまう——これが、いちばん身近で痛い影響です。

③ メールアドレスも変わることがある

「店名.com」のような独自ドメインを使ったメール(info@店名.com など)を使っている場合、ドメインごと変えるとメールアドレスも切り替わります。請求書・予約確認・お客様とのやり取りに使っているメールは、見落とすと連絡が届かなくなるので要注意です。

④ Googleマップやネット予約の登録URL

Googleビジネスプロフィール(旧Googleマイビジネス)、グルメ・予約サイト、SNSのプロフィール欄など、ホームページのアドレスを載せている場所は意外と多いもの。これらは一つずつ手で更新する必要があります。

04影響を小さくする「転送(リダイレクト)」の考え方

ここまで読むと不安になるかもしれませんが、これらの影響をまとめて和らげてくれる仕組みがあります。それが転送(リダイレクト)です。

転送とは、ひとことで言えば引っ越しの「転送届」。郵便局に転送届を出しておくと、旧住所に届いた郵便が新住所へ自動で回されますよね。ホームページの転送も同じで、古いアドレスにアクセスした人を、自動的に新しいアドレスへ案内してくれます。

この転送を設定しておくと、図2で見た影響の多くが軽くなります。古い名刺やリンクからアクセスしたお客様も新しいページにたどり着けますし、Googleも「このサイトは引っ越したんだな」と理解して、これまでの評価を新しいアドレスへ引き継ぎやすくなります。実際、Googleは公式に、サイトのアドレスを変えるときは転送を設定するよう案内しています(2026年6月時点)。

「移転のお知らせ」も忘れずに。Googleには、アドレスを変えたことを伝えるための専用の手続き(サーチコンソールという無料ツールの「アドレス変更」機能)があります。2026年6月時点では、転送の設定とあわせてこの届け出を行うのが、評価を引き継ぐうえでの基本の流れです。設定自体は専門的なので、制作・保守をお願いしている相手がいれば「転送と移転の届け出をお願いしたい」と伝えれば通じます。

アドレス変更の成否は、転送をどれだけ丁寧に張れるかで大きく変わります。「変えてから考える」ではなく「変える前に転送を用意する」が鉄則です。

05アドレスを変える前にやっておくこと

転送の大切さがわかったところで、実際に変える前の準備を順番に並べます。慌てて当日にまとめてやろうとすると抜けが出ます。1〜2週間前から少しずつ進めるのが安心です。

  1. 今のアドレス(URL)を棚卸しする
    トップページだけでなく、「料金」「アクセス」「予約」など主要なページのアドレスを書き出します。転送は基本的に「古いページ→対応する新しいページ」へ一つずつ向けるため、この一覧が設計図になります。
  2. 転送(リダイレクト)の準備をする
    新しいアドレスを公開すると同時に転送が効くよう、設定を用意しておきます。技術的な部分なので、制作・保守の担当に「公開と同時に旧アドレスから転送をかけて」と依頼するのが確実です。
  3. アドレスを載せている場所をリスト化する
    名刺・チラシ・看板・Googleビジネスプロフィール・各種予約サイト・SNS・メール署名など。「どこに載せたか」を先に洗い出しておくと、公開後の更新で迷いません。
  4. 公開のタイミングを決める
    予約や問い合わせが多い繁忙日は避け、比較的落ち着いた曜日・時間帯に切り替えると、万一のトラブルにも対応しやすくなります。
  5. 関係先へひとこと周知する
    取引先・常連のお客様・SNSのフォロワーに「アドレスが新しくなりました」と一言伝えるだけで、迷子を減らせます。古いブックマークの貼り替えもお願いしておきましょう。

変更後も、しばらくは旧アドレスへのアクセスがきちんと新アドレスへ届いているか、検索結果に新しいアドレスが出てくるかを、月に数回のぞいておくと安心です。

06自分でやるか、頼むか

アドレス変更の作業は、「載せている場所の更新」や「周知」はお店ご自身でできますが、転送の設定と移転の届け出は少し専門的です。ここを誤ると影響が大きいので、無理せず頼る判断も大切です。整理すると次のとおりです。

作業自分でできること頼んだほうが安心なこと
転送設定「どのページをどこへ」の希望を伝える実際の転送の設定・公開との同時切り替え
移転の届け出サーチコンソールでの移転通知
各所の更新マップ・予約サイト・SNS・名刺の差し替え抜け漏れチェックの伴走
周知お客様・取引先への連絡・SNS告知

xFactory のホームページ制作は税別50,000円(税込55,000円)。その中で、アドレスの引っ越しや転送の設計についてもご相談を承っています。すでに別のサービスで作ったホームページからの移行や、作成ツールからの乗り換えリース契約からの切り替えでアドレスが変わるケースも、まず「変えるべきか」から一緒に整理します。「うちの場合はどう進めればいい?」という段階のご相談も歓迎です。売り込みはしません。

FAQよくあるご質問

ホームページのアドレスを変えると、検索順位は下がりますか?

変えた直後は、Googleが新しいアドレスを把握し直すまでの間、検索からの流入が一時的に減ることがあります。ただし旧アドレスから新アドレスへの「転送(リダイレクト)」を正しく設定しておくと、これまで積み上げてきた評価を引き継ぎやすくなります。Googleも公式に、アドレスを変えるときは転送の設定を案内しています(2026年6月時点)。何もせずにアドレスだけ変える、という進め方は避けてください。

アドレスを変えると、お店のメールアドレスも変わりますか?

独自ドメイン(例:店名.com)ごと変える場合は、そのドメインを使ったメールアドレス(例:info@店名.com)も新しいものに切り替わります。名刺・看板・各種登録に載せているメールも見直しが必要です。ホームページの中のページのアドレス(URL)だけを変える場合は、メールには影響しません。どちらを変えるのかを最初にはっきりさせておくと混乱を防げます。

今すぐ変えなくても大丈夫でしょうか?

「アドレスが少し古い」「短くしたい」という理由だけなら、急いで変える必要はないことが多いです。アドレスの変更は影響範囲が広いため、屋号やブランドを変えた、独自ドメインにしたい、別のサービスへ引っ越すといった、はっきりした理由があるときにまとめて行うのがおすすめです。変えると決めたら、転送の準備と関係先への周知をセットで進めてください。

Googleマップやネット予約に載せているアドレスはどうすればいいですか?

Googleビジネスプロフィール(旧Googleマイビジネス)、各種グルメ・予約サイト、SNSのプロフィールなど、ホームページのアドレスを載せている場所はすべて新しいアドレスに更新する必要があります。どこに載せているかを先に一覧にしておくと、抜け漏れを防げます。更新するまでは転送が受け皿になってくれるので、転送設定→各所の更新、の順番で落ち着いて進めましょう。

まとめ

ホームページのアドレス変更は、引っ越しと同じ。変えると検索・リンク・メール・各種登録の4方向が動くことを知り、転送(転送届)と周知をセットで用意してから切り替えれば、慌てずに移せます。そして何より、「見た目だけ」の理由なら急いで変えない判断も十分にありです。

大事なのは、思い立った勢いで動くのではなく、この記事の順番——①どちらを変えるか決める → ②そもそも変えるか判断する → ③影響を把握する → ④転送を用意する → ⑤各所を更新して周知する——で進めること。一つずつたどれば、難しい作業ではありません。「自分のお店の場合はどう進めればいい?」と迷ったら、いつでもご相談ください。

xFactory 編集部
ローカル業者の「つくる」を、手の届く価格に。現場で効くノウハウをお届けします。