「持続化補助金を使って、お店のホームページを作りたい。でも、申請書の記入例を見ても、何をどう書けばいいのか分からない」——そんな声をよくいただきます。ネットには記入例が並んでいますが、上限額や締切の数字が記事ごとにバラバラで、かえって不安になることも。
この記事では、横文字をできるだけ翻訳しながら、ホームページ作成を申請書にどう書くかの「型」を、お店の現場目線で整理します。先に大事なことをひとつ。記入例は丸写しするものではなく、自分のお店の言葉に置きかえる下敷きとして使うのが正解です。(本記事は2026年6月時点の制度をもとにしています。最新の内容は必ず公式の公募要領でご確認ください)
01そもそも、ホームページ作成は対象になる?
小規模事業者持続化補助金は、小さなお店や事業者が「新しいお客さんを増やすための取り組み(=販路開拓)」にかかった費用の一部を、国が後押ししてくれる制度です。商工会・商工会議所のサポートを受けながら申請します。
この中のウェブサイト関連費——平たく言えば「集客のためのホームページやネット販売の費用」——として、ホームページの制作費が対象になり得ます。ただし、ここに大事なルールが2つあります。
- ホームページ費用だけでは申請できない——チラシ・看板・展示会など、ほかの取り組みと組み合わせる必要があります
- ウェブサイト関連費には上限がある——補助金額の一部まで、と決められています。割合や金額は公募回ごとに変わるため、申請する回の公募要領で必ず確認してください
つまり「ホームページを作りたいから補助金を使う」ではなく、「お客さんを増やす取り組みの一部としてホームページを作る」という組み立てが前提になります。ここを押さえると、記入の方向性が見えてきます。
「対象になる費用」は意外と細かい。たとえば、新しいサービスを知ってもらうためのホームページ新設は対象になりやすい一方、会社の経費精算など社内向けの仕組みづくりは「販路開拓」とは見なされにくい、といった線引きがあります。迷ったら商工会・商工会議所の窓口で確認するのが確実です。
02申請前に知っておく「お金と時間」のルール
記入例の前に、つまずきやすい仕組みを2つだけ。ここを誤解したまま申請すると、あとで資金繰りに困ることがあります。
補助金は「後払い(精算払い)」
いちばん多い誤解が「申請が通ればすぐお金が入る」というもの。実際は逆で、採択されたあと、いったん自分で全額を支払い、事業が終わってから報告書を出し、内容が認められて初めて補助金が振り込まれます。制作費は立て替えが必要という前提で、資金の計画を立てておきましょう。
上限額・締切は「公募回ごと」に変わる
持続化補助金は、年に何回かに分けて募集(公募)されます。補助の上限額・対象になる費用・締切は、公募回ごとに見直されるため、ネット記事の数字をそのまま信じるのは危険です。たとえば一般型・通常枠の第20回は、申請受付が2026年11月5日〜12月15日17時と中小企業庁から公表されています(2026年6月時点)。自分が申請する回の公募要領(募集の説明書)を、公式サイトで必ず確認しましょう。
数字は変わる、仕組みは変わらない。「後払い」「他の取り組みとセット」「公募要領で確認」——この3つを覚えておけば、どの回でも迷いにくくなります。
03記入例の「型」——HPを“販路開拓の物語”として書く
申請書(経営計画・補助事業計画)でいちばん大事なのは、「なぜホームページが必要なのか」が一本の物語としてつながっていること。審査する人は、あなたのお店を知りません。だからこそ、次の4ブロックを順番につなげて書くと、取り組みが伝わりやすくなります。
たとえば飲食店なら、「①これまで常連さん中心で新規のお客さんが増えにくい。②そこでメニューや雰囲気が伝わるホームページを作り、ネット予約の入口を用意する。③近隣でランチ先を探している人に向けて発信する。④結果として、来店や予約のきっかけを増やしたい」。このように4ブロックを地続きにすると、「ホームページが欲しい」ではなく「お客さんを増やすためにホームページが要る」という筋が通ります。
04惜しい記入例と、良い記入例
同じホームページ作成でも、書き方ひとつで伝わり方が変わります。よくある「惜しい例」と、ひと手間かけた「良い例」を並べてみます。
| 項目 | 惜しい記入例 | 伝わりやすい記入例 |
|---|---|---|
| 目的 | 古いので新しいホームページを作りたい | 新規客が増えにくい課題を、魅力が伝わるHPで解決したい |
| 対象 | たくさんの人に見てほしい | 近隣で○○を探す30〜40代に向けて発信する |
| 中身 | 会社の紹介を載せる | 看板メニュー・写真・予約導線・地図を載せる |
| 効果 | 売上を伸ばしたい | 問い合わせ・予約のきっかけを増やし、来店につなげたい |
| 費用 | ホームページ代 一式 | 制作費の見積もりを添付し、内訳を明記する |
ポイントは「具体的に・相手目線で」。誰に・何を見せて・どうなりたいかが具体的なほど、計画の本気度が伝わります。なお、効果の欄に「確実に売上が上がる」のような断定は書かないこと。やってみないと分からないことを、誠実に「きっかけを増やしたい」と書くほうが、計画として自然です。
審査で見られているのは、夢の大きさではなく筋の通り方。課題と打ち手がつながっているかが肝心です。
05申請でつまずきやすい注意点
計画の中身とは別に、手続きのルールで落とし穴になりがちな点があります。次の順番で確認しておきましょう。
- 採択の前に発注・契約しない(事前着手はNG)原則として、採択されて補助事業が始まってから契約・発注するのがルールです。「待ちきれず先に頼んでしまった」費用は対象外になることがあります。
- 支払いは原則「銀行振込」で現金払いだと支払いの証拠が残りにくく、報告でつまずきやすくなります。振込明細や請求書・領収書はすべて保管しておきましょう。
- ウェブサイト関連費は他の取り組みとセットでホームページ費用だけの申請はできません。チラシ・看板など、ほかの販路開拓の取り組みと組み合わせて計画を作ります。
- 実績報告で「公開した実態」が必要作っただけでなく、ホームページを公開して使っている状態が求められます。完成画面や公開URLなど、実態が分かる資料を残しておきます。
これらは公募回によって細かい条件が変わることがあります。最終的には、申請する回の公募要領と様式、そして商工会・商工会議所の案内に従ってください(2026年6月時点)。
06自分で書くか、頼るか
申請書はご自身で書くのが基本ですが、ひとりで抱え込む必要はありません。無料で使える支援と、制作側の協力を上手に組み合わせるのが現実的です。
| 頼り先 | してくれること | 費用の目安 |
|---|---|---|
| 商工会・商工会議所 | 計画づくりの相談・書き方の伴走支援(持続化補助金は申請に必要) | 無料 |
| ホームページ制作の業者 | 見積もり・仕様の資料づくり(計画に添える) | 見積もりは通常無料 |
| 自分 | お店の言葉で課題と狙いを書く(ここは本人にしか書けない) | — |
ホームページの内容や費用は、制作を頼む相手から見積もりをもらって計画に添えると、ぐっと具体的になります。ちなみに、xFactoryのホームページ制作は税別50,000円(税込55,000円)から。「補助金に出す計画の、費用の部分だけ相談したい」といったご依頼にも、見積もりや仕様の資料づくりでお手伝いできます。作ったあとにどう運用するかまで見据えて準備すると、報告もスムーズです。業種ごとの作り方はこちらの記事もどうぞ。
FAQよくあるご質問
持続化補助金は、ホームページの制作費だけでも申請できますか?
ホームページなどの「ウェブサイト関連費」は、それだけでは申請できません。チラシ・看板・展示会など、ほかの販路開拓の取り組みと組み合わせて申請する必要があります。また、ウェブサイト関連費には補助金額の一部までという上限が設けられています。具体的な割合や上限額は公募回ごとに見直されるため、申請する回の公募要領で必ず確認してください(2026年6月時点)。
補助金は、申請が通ればすぐに振り込まれますか?
いいえ。持続化補助金は「後払い(精算払い)」です。採択されたあとに自分でいったん費用を支払い、事業が終わってから実績報告書を提出し、内容が認められて初めて補助金が振り込まれます。つまり、制作費はいったん立て替える必要があります。資金繰りの計画を立ててから申請するのが安心です。
申請書の「記入例」はどこで手に入りますか?
小規模事業者持続化補助金の公式サイトや、商工会・商工会議所の窓口で、申請様式と記載のポイントを確認できます。ネット上の記入例は参考になりますが、様式や要件は公募回ごとに変わるため、必ず申請する回の公式の様式と公募要領をもとに作成してください(2026年6月時点)。
申請書は自分で書かないといけませんか?
ご自身で書くのが基本ですが、ひとりで抱える必要はありません。商工会・商工会議所では、計画づくりを無料で手伝ってくれる伴走支援を受けられます。ホームページの費用や内容については、制作を依頼する業者から見積もりや仕様の資料をもらって添えると、計画に具体性が出ます。
+まとめ
持続化補助金でホームページ作成を申請するときに大切なのは、記入例の丸写しではなく、「課題→取り組み→対象→効果」を自分のお店の言葉でつなげること。そして、後払い・他の取り組みとセット・公募要領で確認という3つの仕組みを押さえておくこと。この2つがそろえば、申請書づくりはぐっと進めやすくなります。
数字や様式は公募回ごとに変わります。最後は必ず、申請する回の公式の公募要領と、商工会・商工会議所の案内で確認してください。xFactory では、計画に添えるホームページの見積もり・費用の相談から、作ったあとの運用まで、お店の事情に合わせてご一緒します。「うちの場合はどう書けばいい?」という段階のご相談も歓迎です。