01応募が来ないのは、施設のせいだけではない
最初に、数字で現在地を確かめます。介護関係職種の有効求人倍率は3.97倍。全職業の1.16倍に対して、およそ3.4倍の厳しさです※1。働きたい1人を、4つの施設が取り合っている状態です。
実際、介護事業所の65.2%が「人手が足りない」と答えています。訪問介護員に限れば83.4%です※2。つまり「応募が来ない」のは、あなたの施設だけの問題ではなく、業界全体の構造です。
ただし、だからといって打つ手がないわけではありません。同じ厳しさの中でも、求職者に「選ばれる準備」ができている施設とできていない施設の差は、確実にあります。この記事では、その準備のうち、お金をかけずに今日から見直せる5つを順番にご紹介します。
02見直し①:求人票を「働く人の言葉」で書き直す
いちばん費用がかからず、いちばん効く見直しが求人票です。ありがちな求人票は、こんな書き方になっています。「業務内容:入所者様の介護業務全般」「給与:当施設規定による」。これでは、読んだ人が働く自分を想像できません。
書き直しのポイントは3つです。
- 給与は内訳まで書く——基本給・夜勤手当・処遇改善加算の扱いを分けて明示。「手当あり」だけの表記はトラブルの元になります
- 夜勤の回数と休みの実態を書く——「夜勤月4〜5回」「希望休 月3日まで」など、数字で
- 1日の流れを書く——「9時:申し送り→10時:入浴介助…」と時間を追って。仕事の想像がつくと不安が減ります
なお、募集にあたっては業務内容・就業場所・賃金などの明示が法令で求められています※3。具体的に書くことは、選ばれる工夫であると同時に、法令対応でもあります。
03見直し②:Googleマップの情報を最新にする
求職者は応募の前に、施設の名前をスマホで検索します。最初に出てくるのは、多くの場合Googleマップの情報です。ここが古いままだと、求人票がどれだけ良くても第一印象で損をします。
確認するのは次の4点。すべて無料で、今日直せます。
- 施設名・住所・電話番号が正しいか(求人票の表記と一致しているか)
- 営業時間・サービス種別が最新か
- 写真が暗い外観1枚だけになっていないか(明るい写真を数枚追加)
- クチコミに返信しているか(丁寧な返信は、求職者も見ています)
やり方が分からない場合は、MEO対策は自分でできる?無料で今日から始める手順で、登録から更新までの手順を解説しています。
04見直し③:検索されたときの「受け皿」を確かめる
次に、いちばん見落とされている場所です。自分の施設名を、スマホで検索してみてください。求人票を見て興味を持った人が、必ずやる行動です。
出てきた画面に、働きたい人が知りたいこと——仕事内容、給与、一緒に働く人、職場の雰囲気——は載っているでしょうか。古い施設紹介ページと、クチコミサイトだけ。そんな結果なら、せっかく興味を持った人の行き場がありません。これが「受け皿がない」状態です。
参考になる調査があります。採用の経路別に「働き続けたい」と答えた人の割合を比べると、自社ホームページ経由の入職者が約65%と最も高いという結果でした※4。自分で調べて納得してから応募した人は、定着しやすい傾向があるということです。
受け皿づくりはまず、既存ホームページに採用情報を1ページ追加するだけでも一歩前進です。何を載せるべきかは、介護施設の採用サイトとは?載せるべき7項目に整理しました。
求人票は「知ってもらう」道具、受け皿は「確かめてもらう」道具。知った人が確かめられないと、応募の一歩手前で止まってしまいます。
05見直し④:職場の写真をスマホで撮りためる
介護の仕事を選ぶとき、人がいちばん気にするのは職場の人間関係です。それを伝えられるのは、条件表ではなく写真です。費用はかかりません。今日から、スマホで撮りためてください。
撮るのは、かしこまった集合写真ではなく日常です。休憩室で談笑しているところ。昼食の配膳を並んで準備しているところ。誕生会の飾り付け。「ここで働く自分」を想像できる一コマが、どんな宣伝文句より雄弁です。
撮影のコツは、明るい時間帯に、写る人の了解を取ってから。ご利用者が写る場合は、必ずご本人・ご家族の同意を得るか、顔が写らない構図にしてください。撮り方の基本はスマホでここまで撮れる。HP・SNS用写真の撮り方が参考になります。
06見直し⑤:応募のハードルを下げる
最後は、応募の入り口そのものです。「応募は電話のみ・平日9時〜17時」になっていないでしょうか。いま働いている人が転職活動をする場合、日中の電話はいちばんハードルが高い連絡手段です。
- 応募・見学の連絡手段を複数用意する(フォーム・LINE・メール)
- 「見学だけ歓迎」「履歴書不要で面談OK」など、軽い入り口を作る
- 問い合わせへの返信は、できれば当日中に(返信の速さも比べられています)
「いきなり応募」ではなく「まず見学」の道を用意すると、迷っている人が動きやすくなります。連絡をもらってからの対応も、施設の印象を決める採用活動の一部です。
07それでも足りないときの選択肢
ここまでの5つは、すべて費用ゼロ〜ほぼゼロでできる見直しです。まずやり切ってみてください。そのうえで、「受け皿を本格的に整えたい」となったときの選択肢が、採用専用ページの制作です。
費用の相場と選び方は介護施設の採用サイト制作、費用相場はいくら?にまとめました。当社(xFactory)の介護施設向けメニューは、買い切り・税別50,000円(税込55,000円)からです。実物のサンプルを介護施設向けページで公開していますので、選択肢のひとつとして見比べてみてください。
順番はいつも同じ。無料でできる見直しが先、お金を使うのはその後です。
FAQよくあるご質問
求人媒体を変えれば応募は来ますか?
媒体の変更だけで解決するケースは多くありません。介護関係職種の有効求人倍率は3.97倍と、どの媒体でも施設側の競争が激しい状態だからです※1。
媒体を変える前に、求人票の中身・検索されたときに出てくる情報・応募方法のハードルという「土台」を見直すほうが、費用がかからず先に効きます。
5つの見直しは、どれから手を付ければいいですか?
おすすめは記事の順番どおりです。まず今日できる求人票の書き直しとGoogleビジネスプロフィールの更新。次に、施設名で検索して何が出てくるかの確認。それから写真の撮りためと、応募方法の見直し。前半の3つは費用ゼロで始められます。
見直しても応募が来ない場合はどうすればいいですか?
無料でできる範囲を終えたら、次の選択肢は「検索されたときの受け皿」を専用の採用ページとして整えることです。ただし、採用ページも応募を保証するものではありません。
求人媒体・紹介・自前の受け皿を組み合わせて、費用構造を見ながら少しずつ自前の入り口を育てるのが現実的です。
+まとめ
応募が来ない原因は、施設の魅力不足とは限りません。倍率3.97倍の構造の中で、魅力が求職者に届く形になっていないだけかもしれません。求人票の言葉、Googleマップ、検索の受け皿、日常の写真、応募の入り口。この5つは、今日から費用をかけずに見直せます。
xFactory では、見直しの先にある「受け皿づくり」を、介護施設向けに適正価格でお手伝いしています。まずは無料でできることから。その順番を、私たちも大切にしています。
出典(いずれも外部調査・公的資料の公表値であり、当社の実績ではありません)
- ※1 厚生労働省「一般職業紹介状況」介護関係職種の有効求人倍率(令和7年3月):厚生労働省資料(PDF)
- ※2 介護労働安定センター「令和6年度 介護労働実態調査」(人手不足感65.2%・訪問介護員83.4%):調査結果(PDF)
- ※3 厚生労働省「募集・求人業務取扱要領」(労働条件明示・募集情報の的確表示):厚生労働省資料(PDF)
- ※4 ドクターメイト「介護職の入職経路と定着意向に関する調査」(2025年9月):調査結果ページ