01「採用サイト」と「ホームページ」は役割が違う
介護施設の多くは、施設紹介のホームページをすでにお持ちです。「だったら採用サイトは要らないのでは?」と思われるかもしれません。実は、この2つは読む人がまったく別です。
施設のホームページを読むのは、ご利用者やそのご家族です。知りたいのは、サービス内容・料金・場所・空き状況。いっぽう採用サイトを読むのは、「ここで働こうかな」と考えている人です。知りたいのは、仕事の中身・給与・一緒に働く人・職場の空気。同じ施設の話でも、必要な情報がほとんど重なりません。
| 施設のホームページ | 採用サイト | |
|---|---|---|
| 読む人 | ご利用者・ご家族 | 働きたい人(求職者) |
| 知りたいこと | サービス・料金・空き状況 | 仕事内容・給与・人間関係 |
| 主役の写真 | 建物・設備・行事 | 働くスタッフの顔と日常 |
| ゴール | 見学・入居の相談 | 応募・見学の連絡 |
だから、施設ホームページの片隅に「スタッフ募集中」と一行だけ書いても、働きたい人の疑問には答えられません。採用のための専用ページ(採用サイト)を持つというのは、この「読む人の違い」に合わせて情報を分ける、という考え方です。
02なぜいま「採用の受け皿」が要るのか
介護の採用がむずかしいのは、みなさんが肌で感じているとおりです。介護関係職種の有効求人倍率は3.97倍。働きたい1人を、およそ4つの施設で取り合っている計算です※1。
そのうえで、いまの求職者は応募の前にスマホで施設の名前を検索します。求人票を見て気になったら、まず調べる。そこで出てくるのが古い情報だけだったり、何も出てこなかったりすると、応募の手が止まってしまいます。
もうひとつ、知っておきたい調査があります。採用の経路別に「働き続けたい」と答えた人の割合を比べたところ、自社ホームページ経由で入職した人が約65%と、最も高かったという結果です※2。自分で調べ、納得して応募した人は、入ってからのミスマッチが少ない。採用サイトは「応募を増やす道具」である前に、合う人と出会うための道具だと言えます。
採用サイトの役割は、応募の約束ではありません。施設を知った人が検索したとき、確かめられる場所を用意しておくこと。これが「受け皿」の意味です。
03載せるべき7項目
では、採用サイトには何を載せればよいのでしょうか。働きたい人の疑問に順番に答えていくと、次の7項目に整理できます。
| 項目 | 書くこと | 読む人の疑問 |
|---|---|---|
| ① 仕事内容と1日の流れ | 朝の申し送りから退勤まで、時間を追って | 「実際、どんな毎日?」 |
| ② 給与とその内訳 | 基本給・手当・処遇改善加算の扱いまで | 「結局いくらもらえる?」 |
| ③ 勤務時間とシフト | 夜勤の回数・休みの取り方・残業の実態 | 「家庭と両立できる?」 |
| ④ 一緒に働く人 | スタッフの顔写真と一言(年代・経歴も) | 「どんな人がいる?」 |
| ⑤ 職場の写真 | 休憩室・食堂・日常の一コマ | 「雰囲気は?」 |
| ⑥ 教育・研修の仕組み | 入職後に誰がどう教えるか、資格支援 | 「未経験でも大丈夫?」 |
| ⑦ 応募方法 | フォーム・電話・LINEなど、簡単な手段を複数 | 「どう連絡すればいい?」 |
とくに大事なのが②の給与の内訳と④の人です。給与は「処遇改善手当あり」とだけ書くのではなく、どういう形でいくら支給されるのかまで書くと、入職後のトラブルを防げます。そして、介護の仕事で「働き続けたい」と思える理由の中心は、職場の人間関係です。スタッフの顔と言葉が見えるページは、条件表だけのページと伝わる量が違います。
04やってはいけない3つの載せ方
逆に、せっかく作っても効果を弱めてしまう載せ方があります。ありがちな3つを挙げます。
①「アットホームな職場です」だけで終わる
雰囲気の良さを伝えたい気持ちは正解です。ただ、言葉だけでは伝わりません。写真・スタッフの一言・1日の流れという「中身」で見せましょう。どの施設も同じ言葉を書いているからこそ、中身の差が出ます。
② 条件をあいまいにぼかす
「給与:当施設規定による」「詳細は面談で」は、読む人を不安にさせます。募集にあたっては、業務内容・就業場所・賃金などの明示が法令で求められています※3。正直に書くことは、法令対応であると同時に信頼づくりです。
③ 作ったまま放置する
「スタッフ募集(2022年)」が残っているページは、逆効果になりかねません。募集していない時期は「現在は募集していません」と書き換えるだけでも誠実さが伝わります。更新のしやすさは、作るときに確認しておきたいポイントです。
05昔作ったホームページがある場合は?
「施設のホームページならある」という場合、作り直しは不要です。既存のホームページはそのままに、採用専用のページを追加して、互いにリンクでつなぐのが基本の形です。
あわせて知っておきたいのが、法令上の宿題です。介護施設では、重要事項等をインターネット上に掲載することが2025年4月から義務化されました※4。ホームページ周りに手を入れるタイミングで、この対応も一緒に片づけると二度手間がありません。
実物を見るのが早道です。介護施設の採用ページがどんなものか、当社制作のデイサービスのサンプルを公開しています。介護施設向けページの実物デモをスマホでご覧ください(架空の施設を想定した制作サンプルです)。
06費用と作り方の考え方
採用サイトの費用は、作り方によって大きく変わります。月々払い続ける「月額型」と、一度払って自分のものになる「買い切り型」の2つに分かれ、同じ見た目でも総額が数十万円変わることがあります。
相場の数字と選び方は、別の記事で詳しく整理しました。見積もりを取る前に、介護施設の採用サイト制作、費用相場はいくら?月額型と買い切り型の違いをご覧ください。
採用サイトは、働きたい人の疑問に先回りで答える受け皿。作ることが目的ではなく、確かめに来た人を逃さないことが目的です。
FAQよくあるご質問
昔作った施設のホームページがあります。採用サイトは別に必要ですか?
既存のホームページはそのままで大丈夫です。施設紹介はご利用者・ご家族向け、採用サイトは働きたい人向けと役割が違うため、採用専用のページを追加する形が一般的です。既存サイトから「採用情報はこちら」とリンクでつなげば、両方が活きます。
採用サイトを作れば応募は来ますか?
採用サイト単体で応募を保証するものではありません。役割は、求人票やクチコミで施設を知った人が検索したときに、仕事内容・給与・職場の雰囲気を確かめられる「受け皿」を用意することです。
外部調査では、自社ホームページ経由で入職した人は「働き続けたい」と答えた割合が採用経路の中で最も高かった、という結果が公表されています※2。
写真や文章が用意できません。それでも作れますか?
スマホで撮った日常の写真で十分です。むしろ、借り物のモデル写真より、実際のスタッフと施設の写真のほうが求職者に信頼されます。文章は、ヒアリングをもとに制作会社側で作成してもらえるサービスが多いので、依頼時に「文章もお願いできるか」を確認してください。
+まとめ
採用サイトは、施設ホームページの飾りではなく、働きたい人専用のもう一つの顔です。載せるべきは、1日の流れ・給与の内訳・シフトの実態・人・写真・教育・応募方法の7項目。言葉で盛るのではなく、事実を分かりやすく並べることが、いちばんの誠実さです。
xFactory では、介護施設向けの採用サイトを税別50,000円(税込55,000円)から制作しています。詳しくは介護施設向けの採用支援ページをご覧ください。
出典(いずれも外部調査・公的資料の公表値であり、当社の実績ではありません)
- ※1 厚生労働省「一般職業紹介状況」介護関係職種の有効求人倍率(令和7年3月):厚生労働省資料(PDF)
- ※2 ドクターメイト「介護職の入職経路と定着意向に関する調査」(2025年9月):調査結果ページ
- ※3 厚生労働省「募集・求人業務取扱要領」(労働条件明示・募集情報の的確表示):厚生労働省資料(PDF)
- ※4 厚生労働省 令和6年度介護報酬改定(重要事項等のウェブサイト掲載の義務付け):厚生労働省資料(PDF)