結論から申し上げます。AIそのものを直すことはできません。直せるのは、AIが読みに行っている場所のほうです。営業時間が古い、もうやめたサービスを紹介されている、隣町の似た名前の店と混ざっている——こうした間違いのほとんどは、ネット上のどこかに残っている古い情報や、そもそも情報が足りないことが原因で起きています。
そして直す場所には、はっきりした順番があります。無料でその日のうちに直せるものから、時間のかかるものまで、効く順に並べてご案内します。専門用語は、出てくるたびに普通の言葉に言い換えます。
01まず確かめる。AIはいま、あなたの店をどう説明しているか
直しにいく前に、何がどう間違っているのかをご自分の目で確かめてください。ここを飛ばすと、間違っていない場所を直して時間を使うことになります。5分でできます。
- 店名そのままで聞く(約1分)「○○(正式な店名)について教えてください」。事業内容・場所・営業時間が正しいか。そもそも「分かりません」と返ってこないか。
- 地域名+業種で聞く(約1分)「○○市で△△のおすすめを3つ教えて」。自分の店が候補に入るか。入らないなら、間違いではなく「知られていない」状態です。
- お客様が気にすることを聞く(約1分)「○○の営業時間は?」「○○は予約が必要?」「○○の料金は?」。お客様が来店前に確かめたいことこそ、間違っていると困る情報です。
- 別のAIでも同じ質問をする(約1分)ChatGPT以外にも、GeminiやPerplexity、Google検索の上部に出るAIの要約など、答えを作る仕組みは複数あります。どこで間違っているかで、直す場所が変わります(2026年7月時点)。
- 画面を残す(約1分)スクリーンショットで保存し、「どのAIに・いつ・何を聞いて・どう答えたか」をメモ。直したあとに同じ質問をして、変化を見比べるための出発点になります。
「出てこない」と「間違っている」は別の問題です。そもそも候補に挙がらない場合は、この記事より先にAIに見つけてもらうための基本と、Googleマップに店が出てこないときの確認手順をご覧ください。本記事は「出てくるけれど、内容が違う」場合のお話です。
02なぜ間違うのか。AIが答えをつくるとき、見ている場所
AIは、あなたの店を知っているわけではありません。ネット上に書かれている文章を材料にして、答えらしきものを組み立てているだけです。材料が古ければ古い答えが、材料が足りなければ推測混じりの答えが出てきます。
実際に多いのは、次の4つです。①古い記載が残っている——料金表を変えたのに、昔のキャンペーンページや掲載サイトの情報がそのまま残っている。②情報が薄い——ホームページに「地域密着で丁寧に対応します」としか書いておらず、何屋なのかが読み取れない。③名前が紛らわしい——同じ屋号や似た読みの店が他にもあり、区別する手がかりがない。④文字になっていない——メニューや料金が画像やPDFの中にしかなく、文章として読み取れない。
4つとも、共通しているのは「AIが悪い」のではなく「材料が足りない・古い」ということ。だからこそ、店側の手で状況を良い方向に動かせます。
03チャットで「違います」と伝えても、その場かぎりで終わる
間違いに気づいた方の多くが、まずチャット画面で「それは違います、正しくは○○です」と入力されます。するとAIは素直に訂正して答え直します。ここで「直った」と思ってしまうのですが、それはあなたが開いているその会話の中だけの話です。別の人が同じ質問をしたときの答えは、変わっていません。
2026年7月時点では、各サービスに「この回答は間違っている」と報告する機能が用意されています。報告すること自体は無駄ではありませんが、報告した内容が反映されることを約束する仕組みではありません。「フォームから連絡すれば消してもらえる」と案内する業者がいたら、その根拠を確かめてください。
ですから、手を入れる先は次の章から。AIが読みに行っている場所を、正しい状態に置き換えていく——これが遠回りに見えて、いちばん確実な道です。
04直す順番。今日からできることを、効く順に4段
直す場所はいくつもありますが、全部を一度にやろうとすると必ず途中で止まります。上から順に、1段ずつで大丈夫です。1段目と2段目まで終われば、店舗の情報の間違いはかなりの部分が解消に向かいます。
1段目:Googleビジネスプロフィールを直す
店名・住所・電話番号・営業時間・業種・サービス内容を、ご自身で無料で修正できます。ここが最優先なのは、地図での表示やGoogle系のAIの答えに、比較的早く伝わるからです。手順はGoogleビジネスプロフィールを自分で整える方法にまとめています。祝日や臨時休業も忘れずに反映してください。
2段目:ホームページに、事実を文字で書き切る
「○○は、△△市で□□を行っている店です」という前後を読まなくても意味が通る一文を、トップページか会社概要の冒頭に置いてください。理念や思いは、そのあとで大丈夫です。あわせて、住所・電話・営業時間・料金の考え方・対応エリア・よくある質問を、画像やPDFではなく文章として置きます。ページに更新日を入れておくと、いつ時点の情報かが伝わります。
3段目:古い掲載を掃除して、表記をそろえる
昔つくった掲載ページ、使っていないSNS、終了したサービスの案内ページ。残っている古い情報は、AIにとっては現役の情報です。終了したものには「○年○月で終了しました」と書き足すか、ページ自体を整理します。あわせて、店名・住所・電話番号の書き方を、すべての場所で一字一句そろえてください。「1-2-3」と「1丁目2番3号」、「(株)」と「株式会社」——この程度の違いでも、同じ店だと判断されにくくなります。
4段目:外からの言及を、正しい内容で増やす
自分で「うちは○○です」と書くだけでなく、他所に同じことが書かれていると、情報の確からしさが上がります。地元の商工会議所や組合の会員紹介、自治体の事業者紹介ページ、地域メディアへの掲載。それにお客様の口コミも、店の実態を語る材料になります。ただし、集め方には守るべき線があります(06章)。
| よく見る言葉 | 要するに、こういう意味 |
|---|---|
| LLMO / GEO / AIO | 呼び方は違うが、やることは同じ。「AIが答えを作るときに、自分の店の情報を正しく拾ってもらえるように整える」こと |
| 構造化データ | 店名・住所・営業時間などを、機械が読み取りやすい決まった形でページに書いておく仕組み。作る側(制作会社)の仕事 |
| NAP | 店名・住所・電話番号の3点セット。どこでも同じ書き方にそろえましょう、という話 |
| エンティティ | 「その店がどの店か」の見分け。名前だけでなく地域や業種をセットで出すと、混ざりにくくなる |
| サイテーション | よその場所で自分の店の名前が出てくること。掲載・紹介・口コミなど |
05間違いの種類別・どこを直すかの早見表
「うちの場合はどこを直せばいいのか」を、症状から引ける形にしました。まず左の列で自分の症状を見つけて、その行だけ実行してください。
| AIが言っている間違い | まず直す場所 | あわせて直す場所 | 時間 |
|---|---|---|---|
| 営業時間・定休日が違う | Googleビジネスプロフィール | ホームページ、掲載サイト、SNSのプロフィール欄 | 短め |
| 住所・電話番号が古い | Googleビジネスプロフィール | すべての掲載先。表記の形もそろえる | 短め |
| やめたサービスを紹介される | ホームページの該当ページ(終了の追記か整理) | 過去のお知らせ、掲載サイトの紹介文 | 中くらい |
| 料金が昔の金額で出る | ホームページの料金ページ(更新日も明記) | 掲載サイト、過去のキャンペーンページ | 中くらい |
| 別の店と混ざっている | 店名と地域を必ずセットで書く(全所在地で統一) | 創業年・代表者名・業種も同じ書き方でそろえる | 長め |
| 何の店か伝わっていない | ホームページ冒頭の「一文で言い切る説明」 | Googleビジネスプロフィールの業種と説明文 | 中くらい |
| そもそも候補に出てこない | 間違いではなく知られていない状態(AI検索の基本へ) | 口コミ・掲載・情報発信の量を増やす | 長め |
「時間」の欄は、あくまで手間のかかり方の目安です。直した内容がAIの答えに現れるまでの期間は、確実にはお約束できません。数週間で変わることもあれば、数か月かかることも、変わらないこともあります。直したら、01章のメモを見ながら、月に一度同じ質問をして答えの変化を見比べてください。
直せるのは 材料 だけ。だから、正しい材料を、正しい場所に、置き続けること。
06やってはいけないこと・頼むときの見分け方
「AIに正しく認識させたい」という気持ちにつけ込む手法も出てきています。次の3つは、提案されてもお断りしてください。
- 実態と違う説明を、あちこちに大量に置く——短期的に見え方が変わっても、他の情報と食い違えばかえって混乱の材料になります。何よりお客様に対して不誠実です
- 口コミの自作自演・見返りと引き換えの依頼——プラットフォームのポリシーで禁止されている行為です。AIに読ませる目的でも、やっていいことにはなりません
- 「AI検索で必ず1位にします」「AIに確実に載せます」をうたう契約——答えを決めるのはAI側であり、外部の誰にも保証できません
一方で、店主が自分でやらなくていい部分もあります。ページの中に機械が読み取りやすい形で店舗情報を書いておく仕組み(表1の「構造化データ」)や、AIの読み取りに関わるサイト側の設定は、つくる側の仕事です。ここを「ご自分で編集してください」と丸投げしてくる案内があれば、それは説明の仕方として不親切だと考えていいと思います。
xFactory では、ホームページ制作(税別50,000円(税込55,000円))の中で、店舗情報を機械にも読み取りやすい形で置くところまで含めてお作りしています。公開後の更新は月額税別2,000円(税込2,200円)の運用サポートで承ります。Googleビジネスプロフィール側の整備が必要な場合は、MEO対策(初期設定 税別20,000円(税込22,000円)+月額 税別8,000円(税込8,800円))もご用意しています。詳しくはサービス・料金一覧をご覧ください(2026年7月時点)。
FAQよくあるご質問
ChatGPTのチャット画面で「うちの情報は間違っています」と伝えれば直りますか?
その会話の中では、伝えたとおりに答えてくれます。ただしそれは、あなたが開いているその画面の中だけの話です。別の人が同じ質問をしたときの答えが、それで書き換わるわけではありません。2026年7月時点では、各サービスに間違いを報告する機能はありますが、報告した内容が反映されることを約束するものではありません。直すべきなのはAIの頭の中ではなく、AIが読みに行っている場所——Googleビジネスプロフィールや、ご自身のホームページの記載です。
情報を直してから、どのくらいでAIの答えが変わりますか?
確実な期間はお伝えできません。数週間で変わることもあれば、数か月かかることも、変わらないこともあります。AIによって仕組みが違い、その場でウェブを見に行くタイプは比較的早く、過去に読み込んだ文章から答えるタイプはゆっくりです。目安を約束する業者には注意してください。焦って何度も直しにいくより、正しい情報を置いたうえで、月に一度同じ質問をして答えの変化を見ていくほうが現実的です。
ホームページがなくても、AIに正しく伝えることはできますか?
はじめの一歩はできます。Googleビジネスプロフィールは無料で、店名・住所・電話番号・営業時間・サービス内容をご自身で登録・修正できます。ただ、そこに書ける情報量には限りがあります。料金の考え方、対応できること・できないこと、よくある質問といった「くわしい説明」を置ける場所がないと、AIは足りない部分を他所の情報や推測で埋めてしまいます。自分で管理できる説明の置き場所として、ホームページは持っておくほうが有利です。
同じような名前の店と混同されます。区別してもらうにはどうすればいいですか?
区別するための手がかりを、あなたの側から増やすのが現実的な対処です。店名だけでは足りないので、市区町村名・最寄り駅・業種・創業年・代表者名を、いつも同じ書き方でセットにして出してください。「○○(東京都渋谷区の△△店)」のように、名前と地域を必ず一緒に書く形をホームページ・Googleビジネスプロフィール・SNSでそろえると、混ざりにくくなります。相手の店を否定する説明を書く必要はありません。
+まとめ
AIが自分の店を間違って説明していると、来店前に下調べをしたお客様が、その間違いを事実として受け取ってしまいます。だからこそ、気づいた今が直しどきです。やることは3つに絞れます。
①確かめる——5つの聞き方で、何がどう違うかを画面ごと記録する。②直す——Googleビジネスプロフィール、ホームページ、古い掲載、外からの言及の順に、上から1段ずつ。③見比べる——月に一度、同じ質問をして答えの変化を確かめる。
チャット画面での訂正でも、業者への丸投げでもなく、正しい材料を正しい場所に置き続けること。地味ですが、これがいちばん確実です。
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