「ChatGPTを使えばホームページが作れるらしい」と聞いて、試してみようか迷っている方に向けて書きました。私たちはAIを使ってホームページを作っている会社ですので、この話は他人事ではありません。だからこそ、売り込みになる結論は脇に置いて、実際のところをご説明します。
先に結論を3つ申し上げます。①作れます。見た目の整ったページは、いまのAIなら短い時間で形になります。ここは本当です。②詰まるのは「作ったあと」です。お店として公開して、使い続けられる状態にするまでに、越える場所が6つあります。作り方を紹介した記事の多くは、その手前で終わっています。③いちばん気をつけていただきたいのは、AIが「知らないこと」を埋めてしまうところです。住所、電話番号、営業時間、料金、資格。ここを直さないまま公開すると、お客様に事実と違うことをお伝えしてしまいます。
この記事は「AIで作るのはやめましょう」という話ではありません。ご自分で作ったほうがいいお店の条件も、同じ分量で書きます。
本記事は2026年9月時点の情報です。特定のAIサービスや作成ツールを挙げて優劣をつけることはしません。各サービスの機能・料金・利用規約は改定が早いため、金額や条件の具体的な数値は本文に書かず、ご利用中(または検討中)のサービスの公式ページでご確認いただく形にしています。また、検索順位やご来店・お問い合わせの数を、誰かがお約束することはできません。ここで扱うのは、AIで作るときにどこが自動化できて、どこが人の仕事として残るかという切り分けです。
01「AIで作れる」は、どこまで本当か
結論から言うと、「ページの形」は本当に作れます。見出しの並び、色づかい、写真の置き場所、スマートフォンで見たときの折り返し。こうした見た目と構造にあたる部分は、AIがいちばん得意なところです。何を作りたいかを日本語で伝えるだけで、たたき台が出てきます。数年前まで専門の人に頼むしかなかった作業が、そこだけ見れば確かに手の届くところに来ました。
一方で、AIがどうやっても作れないものがあります。あなたのお店の事実です。何時に開けているのか、いくらなのか、どんな資格を持っているのか、去年どんなご相談を受けたのか。AIはそれを知りません。そして、知らないことを聞かれたときに「それらしい答え」を作ってしまうことがあります。意地悪をしているわけではなく、言葉のつながりから続きを組み立てる仕組みだからです。
家づくりにたとえると分かりやすいかもしれません。AIは、建物を建てるのがとても速い。ただし、表札に書く名前と、玄関の鍵と、住所の登録は、家主にしかできません。そして困ったことに、名前を空欄にしておくと、AIは気を利かせてもっともらしい名前を書き込んでしまいます。
AIが作るのは建物。表札と鍵と住所は、お店の人にしか用意できません。
02三つの層に分けると、迷わなくなる
「どこまでAIに任せていいのか」は、一つずつ考えると迷います。作業を三つの層に分けてしまうのが、いちばん早い整理です。
ひとつめはそのまま任せていい層。見た目、並び順、言い回しを整えること。ここは間違っていても、見れば分かります。ふたつめは下書きを作らせて、人が確かめる層。サービスの説明文、お客様へのご案内、よくあるご質問など、内容に事実が混ざるところです。みっつめは人がやるしかない層。事実の入力、写真、公開の作業、お問い合わせの受け取り、名乗りにあたる表示です。
この分け方のよいところは、チェックの手間が減ることです。一番上の層は見れば分かるので、確認に時間をかけなくて構いません。時間をかけるべきなのは、下の二層だけです。
03AIに書かせてはいけない、7つの情報
ここが本記事でいちばんお伝えしたいところです。次の7つは、AIに「いい感じに書いておいて」と頼んではいけません。頼むと、空欄が埋まってしまいます。埋まったことに気づかないまま公開すると、お客様に事実と違うことをお伝えしたことになります。
| AIに埋めさせない情報 | 埋めさせると、何が起きるか | 正しいやり方 |
|---|---|---|
| 住所・電話番号 | 近い地名や、それらしい番号の並びが入ることがあります | 名刺や登記の書類を見ながら、ご自分で入力し、公開前に電話をかけて確かめる |
| 営業時間・定休日 | その業種の一般的な時間が入ります(お店の実際とは無関係) | いまの貼り紙どおりに書き写す。年末年始・臨時休業の扱いも決めておく |
| 料金・メニューの価格 | 相場らしき金額が入ります。税込か税別かも勝手に決まります | ご自分の価格表から転記。税別か税込かを必ず明記する |
| 資格・許認可・届出 | その業種で「ありそうな」資格名が並ぶことがあります | 実際にお持ちのものだけを、正式名称で。番号は書類を見ながら |
| 実績の数字 | 「創業◯年・施工◯件・満足度◯%」が、根拠なく出てきます | 数えられる数字だけを書き、いつ時点の何の数字かを添える |
| お客様の声 | 実在しない人の感想文が、自然な文章で作られます | 実際にいただいた声だけ。掲載してよいかの確認も先に取る |
| 他店との比較 | 確かめようのない優劣が、断定の形で書かれます | 他店の話は書かず、ご自分のお店ができることだけを書く |
お客様の声を作らせるのは、特にやめてください。見た目にはいちばん効きそうに見えますし、AIはとても上手に書きます。ですが、それは実際にいらしていないお客様の言葉です。気づかれたときに失うのは、そのページではなく、お店の信用のほうです。いただいた声がまだ無いのであれば、無いまま公開して構いません。声が無いページより、作られた声があるページのほうが危ないです。
逆に言えば、この7つさえご自分で入れてしまえば、残りはAIに任せて問題ありません。先に事実だけを箇条書きにして手元に置き、それを渡してから形を作ってもらう。この順番にすると、あとで直す量がぐっと減ります。
04公開までに詰まる、6つの関門
ここからが、多くの解説記事が触れていないところです。ページができあがっても、それはまだインターネット上のどこにも出ていません。お店として使える状態にするまでに、順番に越える場所が6つあります。
それぞれで、実際にどんなことが起きるかを並べます。詰まったときは、右の記事にそのまま続きが書いてあります。
| 関門 | ここで起きやすいこと | 詳しく知りたいとき |
|---|---|---|
| ③ 置き場所 | お試しのURLのまま名刺に刷ってしまい、あとで変えられなくなる。ドメインの更新を忘れて、ある日ページが出なくなる | ドメインの更新を忘れたら |
| ④ 鍵(SSL) | スマートフォンで開くと「保護されていない通信」と出て、お客様が引き返してしまう | 「保護されていない通信」の直し方 |
| ⑤ 受け取り口 | フォームは置いたのに、送信されたメールが迷惑メールに入って気づかない | 問い合わせメールが届かないとき |
| ⑥ 名乗り(表示) | ネットで申し込みや販売を受ける形にすると、法令にもとづく表示が必要になることがある | 特定商取引法に基づく表記 |
| ⑥ 見つけてもらう | 公開したのに、お店の名前で検索しても自分のページが出てこない | 検索しても出てこないとき |
| その後(引き継ぎ) | 作った本人しか直せない状態になり、担当が変わった瞬間に止まる | ホームページの引き継ぎ |
写真についても一言だけ。インターネットで見つけた写真を、AIに指示して貼り込むのはおやめください。その写真には撮った人がいます。お店の写真はご自分で撮るのがいちばん早く、いちばん安全です(スマホでの撮り方/写真の権利の話)。
05「0円でできる」の中身を、自分の紙で数える
AIで作る方法を紹介した記事には、たいてい金額の比較が載っています。ただ、記事ごとに数字が食い違います。制作会社に頼んだ場合の金額も、自分で作った場合の「0円」も、書いている人によってばらばらです。ですので本記事では、よその相場を一切お出ししません。代わりに、ご自分の紙で数えていただく項目だけをお渡しします。
- お試しのURLのままでいいか決める自分の名前のURL(独自ドメイン)を使うなら、取得と毎年の更新に費用がかかります。金額は種類と時期で変わるため、取得先の公式ページで現在の金額をご確認ください。
- 問い合わせフォームの上限を見る無料で使えるフォームには、月あたりの送信数などの上限があるものが多いです。上限を超えたときにどうなるかを、契約前に一度だけ確かめてください。
- 写真をどうするか決めるご自分で撮るなら0円です。素材サイトを使うなら、商用に使ってよいかの条件を確認します。ここを曖昧にしたまま公開するのが、いちばん高くつきます。
- 自分の時間を、時給で置いてみる実際にかかるのは、作る時間より「直す時間」のほうです。公開後も月に何時間か触ることになります。その時間を、お店の営業にあてた場合と比べてください。
- 止まったときに聞ける人がいるか確かめる④や⑤で止まったとき、誰に聞くか。ここが空欄のままだと、作りかけのページが半年放置される形になりがちです。
この5つを書き出してみて、合計が思ったより小さければ、ご自分で作るのがいちばん良い選択です。私たちはそう申し上げます。
06自分で作る人/任せたほうが早い人
最後に、線引きをはっきりさせておきます。まず、ご自分でAIを使って作るほうが向いているのは、こういう場合です。
- お店の名前で検索された方に、場所と時間と連絡先が伝われば足りる
- ご紹介と常連のお客様で商売が回っていて、ページは名刺の代わり
- パソコンの操作に抵抗がなく、分からないことを自分で調べるのが苦にならない
- 始めたばかりで、売り物や価格がまだ固まっていない(固まってから作るほうが安く済みます)
反対に、任せてしまったほうが早いのは、こういう場合です。
- 作り始めて2週間以上、③〜⑥のどこかで止まったまま進んでいない
- ネットで申し込みや販売を受ける形にしたい(必要な表示の判断が入ります)
- 資格や許認可が必要な商売で、書き方を間違えたくない
- ご自分の時間を1時間使うより、営業に出たほうが確実に実入りが大きい
私たちはホームページ制作を税別50,000円(税込55,000円)、公開後の運用サポートを月額 税別2,000円(税込2,200円)でお引き受けしています。ただ、この記事でお伝えしたかったのは金額の話ではありません。「AIで作れます」も「プロに頼むべきです」も、どちらも半分だけ本当だということです。作れるのは本当で、詰まるのも本当。ご自分がどこで止まりそうかを先に知っておけば、どちらを選んでも遠回りになりません。
なお、5万円でできること・できないことと、格安のホームページはなぜ安いのかも、同じ立場で正直に書いています。丸投げしたい場合に用意するもの、無料のツールで作る場合の線もあわせてどうぞ。サービス・料金一覧はこちらです。
Qよくあるご質問
ChatGPTだけで、ホームページを公開するところまでできますか。
文章とページの形を作るところまでは、できます。ただし「公開する」にはもうひとつ、ページを置いておく場所が要ります。AIとの会話の中にあるうちは、まだインターネット上のどこにも出ていません。作ったものを置き場所(ホスティングと呼ばれるサービス)に上げて、初めて誰かが見られる状態になります。この置き場所には無料で使えるものもありますが、置いたあとに独自のURLをつなげる、通信の暗号化を有効にする、問い合わせの受け取り先を用意する、といった作業が続きます。ですので「ChatGPTだけで完結しますか」という問いへの正直なお答えは、作る部分は完結しますが、公開して使い続ける部分は別の手続きが要ります、になります。本記事の04で、その順番を図にしています。2026年9月時点の情報です。
AIが作った文章やデザインを、そのまま商売のホームページに使っていいのでしょうか。
使ってよいかどうかは、お使いのサービスの利用規約で決まります。生成したものを商売に使えるかどうか、使うときに表示が必要かどうかは、サービスごとに定めが異なり、改定もされます。ご利用中のサービスの公式の利用規約を、公開前に一度ご確認ください。そのうえで、規約とは別に気をつけていただきたいことが2つあります。ひとつは写真です。AIが作った画像ではなく、インターネットで見つけた写真をAIに指示して貼り込んだ場合、それは他人の写真を使っていることになります。もうひとつは、AIが書いた文章が、たまたま他のお店の言い回しに近くなることがある点です。どちらも、公開前にご自分の目で読み返していただくのがいちばん確実です。2026年9月時点の情報です。
AIで作ったホームページは、検索で不利になりませんか。
「AIで作ったから順位が下がる」という案内をGoogleは出していません。公開されているガイダンスは、そのページが読んだ人の役に立つかどうかについてのものです。ですので、不利になるかどうかは作り方の道具ではなく、中身のほうで決まると考えていただくのが実際に近いです。ただし、AIに任せきりにすると起きやすいことはあります。どこかで読んだような当たり障りのない説明だけが並び、そのお店にしかない情報(実際に受けているご相談、対応できる範囲、他ではやっていない工夫)がどこにも書かれていない、という状態です。これは読む人にとっても手がかりがありません。AIには形を作ってもらい、中身はご自分の言葉を混ぜる。この分担がいちばん素直です。なお、検索順位やお問い合わせの数を、誰かがお約束することはできません。2026年9月時点の情報です。
自分でAIに作ってもらったあと、直せなくなることはありますか。
あります。いちばん多いのは、作ったときのファイルと、置き場所にログインするための情報が手元に残っていない、という状態です。AIとの会話は残っていても、会話の履歴が消えたり、どのファイルが最新か分からなくなったりすると、少しの修正でも一から作り直しになります。防ぎ方は難しくありません。公開できた日に、①ページのファイル一式をご自分のパソコンかクラウドに保存する、②置き場所・URL(ドメイン)・問い合わせフォームの、それぞれのログイン情報とご契約のメールアドレスを1枚の紙にまとめて控える。この2つだけで、あとから誰に相談することになっても話が早くなります。ご家族や従業員の方にも、その紙の場所だけは伝えておいてください。
+まとめ
持ち帰っていただきたいのは3つです。①AIでページの形は本当に作れる。見た目と並びは、いまのAIがいちばん得意なところ ②詰まるのは作ったあと。置き場所・鍵・受け取り口・名乗りの4つで止まる方が多い ③住所・営業時間・料金・資格・実績・お客様の声・他店との比較の7つは、AIに埋めさせない。ここだけご自分で入れれば、残りは任せて構いません。
そして、今日できることをひとつだけ。AIに頼む前に、紙かメモ帳に「お店の事実」を箇条書きにしてください。店名、住所、電話、営業時間、定休日、料金、資格、できること、できないこと。10分で終わります。これを先に渡してから作り始めると、AIが空欄を埋める余地がなくなります。作り方の解説を10本読むより、この10分のほうが効きます。
もし途中で止まってしまったら、「ここまで作ったのですが、この先が分かりません」というご相談だけでも構いません。作りかけのページを一緒に開いて、6つの関門のどこで止まっているかをお伝えします。そのうえで、当社に発注いただく必要はありません。ご自分で進めたほうが早いと判断できれば、そう申し上げます。
※ 本記事は2026年9月時点の情報です。AIサービス・作成ツール・フォームサービスの機能、料金、利用規約、無料枠の条件はいずれも改定が早いため、本記事では具体的な数値や条件を記載していません。ご利用中または検討中のサービスの公式ページで、必ず最新の内容をご確認ください。検索順位やご来店・お問い合わせの数を、誰かがお約束することはできません。本記事は特定のサービスを推奨または批判するものではなく、AIで作る場合に人の作業として残る範囲を整理したものです。