ホームページを自分で更新するようになると、必ずぶつかるのがこれです。「この写真、載せていいんだろうか」。ネットで見つけたきれいな料理写真。お客様がSNSに上げてくれた店内の写真。メーカーからもらった商品画像。フリー素材サイトで拾ったイラスト。どれも手元にはあるけれど、使っていいかは書いていません。

先に結論をお伝えします。判断の分かれ目は難しい法律用語ではなく、「その1枚がどこから来たか」のひとつだけです。出どころさえはっきりしていれば、使えるか、条件つきか、やめておくかは、だいたいその場で決まります。この記事では、出どころ別の早見表、フリー素材の規約で実際に見る項目、人が写っている写真の許可の取り方、そして制作会社に任せたサイトの画像を自分で確かめる方法までをまとめます。内容は2026年8月時点のものです。

なお、この記事は一般的な考え方の整理です。実際に権利者とやり取りが発生した場合や、判断に迷う具体的な場面では、弁護士など専門家にご相談ください。

01判断は「その画像がどこから来たか」で決まる

まず、前提をひとつだけ。写真やイラストは、撮った人・描いた人に権利があります。ネット上に公開されていても、それは「誰でも自由に使っていい」という意味ではありません。政府広報オンラインも、インターネットを通じた情報発信について「許諾のない発信は侵害行為に当たる場合がほとんど」と説明しています(出典:政府広報オンライン「ネット上の著作権トラブル 正しい知識で回避しよう」2026年1月27日)。

ここで多くの方がつまずくのが、「自分用に保存するのはよくて、なぜサイトに載せるとだめなのか」という点です。著作権法には、個人や家庭内で楽しむための複製を認める決まりがあります。ただし文化庁は、業務のために使う場合はこれに当てはまらないと説明しています(出典:文化庁「著作物の正しい利用」)。お店のホームページは商売の道具ですから、「自分用だから」という理屈は使えません。

とはいえ、条文を覚える必要はありません。次の図のとおり、出どころをたどるだけで判断はつきます。

使いたい画像の出どころをたどって、使ってよいかを判断するフロー図 使いたい画像が1枚ある 自分(自社)で撮った・描いた スマホで撮った写真もここ はい そのまま使える 人が写っていれば 04 へ いいえ 素材サイトから取得した・買った 無料・有料どちらも はい 条件つきで使える 規約の6項目を確認(03) いいえ お客様・取引先からもらった メーカー提供の商品画像も はい 誰が撮ったかを確かめる 使える範囲を一文で残す いいえ 検索結果・SNS・他店やメーカーのサイトから保存した 使わない。自分で撮るか、素材サイトの1枚に差し替える
図1: 出どころをたどれば、使えるかどうかはその場で決まります。たどれない画像は「使わない」が正解です。

迷ったときの基準はひとつ。「この写真はどこから来ましたか」と聞かれて答えられるか。答えられない画像は、載せない。

02出どころ別・使っていいかの早見表

実際にお店でよく出てくる8つのパターンを、そのまま表にしました。自分のケースを探してみてください。

その画像の出どころホームページに載せられるか確認すること
自分・スタッフが撮った載せられる人が写っていれば本人の同意(04)
カメラマンに撮ってもらった契約次第使える範囲(サイトだけか、チラシやSNSにも使えるか)
無料の素材サイト規約の範囲内なら載せられる商用利用・点数・クレジット・加工の可否(03)
有料の素材サイト買ったライセンスの範囲内で載せられる使える媒体と期間。人物素材は用途の制限に注意
生成AIで作った使ったサービスの規約次第商用利用の可否と、既存の作品に似ていないか
お客様がくれた・SNSに上げてくれた本人の許可があれば載せられる撮った本人に一言。載せる場所も一緒に決める
メーカー・取引先からもらった提供の趣旨の範囲で載せられる「販売用に使ってよい」と言われているかをメールで残す
検索結果・他店のサイト・SNSから保存載せない出典を書いても解決しません(05)

表の一番下だけは、例外なく「載せない」です。ここが最も事故の多い入口で、しかも本人には悪気がないのが特徴です。「同業のサイトを参考にしていたら、いつのまにか画像も保存していた」「メニュー写真がうまく撮れないので、似た料理の写真を借りた」。どちらも、悪気がないまま進んでしまう典型的な流れです。

03「フリー素材」は無料でも自由ではない

いちばん誤解が多いのがここです。「フリー」は「無料」であって「自由」ではありません。ほとんどの素材サイトは、著作権を放棄しているわけではなく、「この条件を守るなら使っていいですよ」と決めたうえで公開しています。条件はサイトごとに違います。

実際の規約を見てみます。以下は2026年8月時点で各サイトが公開している内容です。規約は改定されるため、使う前にはご自分で最新版をご確認ください。

素材サイト規約に書かれていること(要点)
いらすとや個人・法人・商用を問わず無料で使えるが、著作権は放棄していない。商用デザインで21点以上のイラストを使う場合は有償。素材を主体としたコンテンツ・商品の再配布や販売は不可(出典:ご利用について
Pixabay無料・クレジット表記不要・加工可。ただし素材をそのままの形で販売・配布することは不可識別できる商標・ロゴ・ブランドが写り込んだ素材を、商品やサービスに関する商用目的で使うことは不可。素材を商標として使うことも不可。第三者の許諾が別に必要な場合があると明記(出典:Content License Summary
Unsplash商用・非商用とも無料、許諾は不要。クレジット表記は必須ではないが推奨。大きな改変なしに販売することは不可。Unsplashに似た競合サービスを作る目的で画像を集めることも不可(出典:Unsplash License
写真ACダウンロードには会員登録が必要。商用利用可。素材ごとにモデルリリース(写っている人の許可)・プロパティリリース(写っている建物などの許可)の取得有無が示されており、使用方法によっては権利保有者や管理者の使用許可が必要と案内されている(出典:利用規約

4サイトを並べただけで、条件がまったく違うことが分かります。つまり「フリー素材だから大丈夫」という一括りの判断はできないということです。とはいえ、毎回長い規約を読み通すのは現実的ではありません。見る場所は、次の6つで足ります。

  • 商用で使えるか——お店のホームページは「商用」です。個人利用のみ無料、という素材があります
  • 点数や使い方の上限はあるか——1つの制作物に使える枚数に決まりがある場合があります
  • クレジット(作者名)の表記が要るか——不要なサイトと、必須のサイトがあります
  • 加工・トリミングしてよいか——文字を重ねる、色を変えるといった加工の可否です
  • 人・ロゴ・建物が写っていないか——写っている場合、別の許可が必要になることがあります
  • ロゴや看板に使えるか——「商標として使わない」と定めているサイトが多く、お店のロゴには使えません

この6つを確認したら、どのサイトの何番の素材を、いつ、どの条件で使ったかをメモに残しておいてください。表計算ソフトに1行足すだけで十分です。あとから「この画像どこの?」となったときに、探し直す手間がまるごと消えます。

04人が写っている写真——お客様・スタッフ・通行人

自分で撮った写真なら権利の心配はない、と書きました。ただし人が写っている場合はもう一段あります。自分の姿を勝手に公開されない、という考え方があるためです(一般に肖像権と呼ばれます)。撮影者の権利とは別物なので、「自分で撮ったから大丈夫」では済みません。

難しく考える必要はなく、やることは「その場で一言もらう」だけです。

  1. 撮る前に、使いみちを伝える
    「お店のホームページとInstagramに載せたいのですが、お写真だいじょうぶですか?」。どこに載せるかまで言うのが大事です。「記念に撮りますね」とだけ言って公開すると、話が違うことになります。
  2. 断られたら、写り込まない角度で撮り直す
    後ろ姿にする、手元だけにする、人が引けたタイミングで撮る。断られること自体はよくあることなので、気まずくならない代案を先に用意しておくと聞きやすくなります。
  3. スタッフの写真は、入社時と退職時の両方を決めておく
    「採用ページとスタッフ紹介に載せる」「辞めたときは申し出があれば取り下げる」。この2点を最初に決めておくと、あとで気を遣うやり取りが発生しません。
  4. 同意を、形に残す
    紙の同意書までは要りません。LINEやメールで「先ほどのお写真、ホームページに使わせていただきますね」と送って、返事をもらっておけば十分です。口約束だけにしないのがポイントです。
  5. 「消してほしい」と言われたら、すぐ外す
    一度もらった同意でも、事情が変わることはあります。理由を尋ねず、まず外す。この対応をしているお店は、そのこと自体が信用になります。

あわせて気をつけたいのが、写り込みです。店内を撮ったつもりが、後ろのテーブルにお客様の顔が入っている。カウンターの上に予約台帳や配送伝票が写っていて、名前と電話番号が読める。スタッフの名札がはっきり写っている。公開する前に、写真を拡大して隅まで見る習慣をつけてください。撮り方そのもののコツはスマホ撮影のコツをまとめた記事でご案内しています。

05「引用だから」「出典を書いたから」が通らない理由

「出典さえ書けば使える」という説明を見かけますが、これは順番が逆です。著作権法には引用の決まりがあり(第32条)、その条件を満たしたうえでさらに出所を示す義務がある(第48条)という構造になっています。出典を書いたから引用になる、のではありません。

文化庁は、引用として認められるために必要な点として、引用する必然性があること、引用部分がはっきり区別できること、自分の文章が「主」で引用が「従」という主従関係があること、必要最小限の範囲であることを挙げています(出典:文化庁「著作権テキスト」)。

ここでお店のホームページを思い浮かべてください。トップページの雰囲気づくりに写真を置く。メニューページに料理の写真を並べる。どちらも写真そのものを見せることが目的で、文章を補うために引用しているわけではありません。つまり、お店のサイトで引用が成立する場面は、実際にはほとんどないと考えておくのが安全です。

よくある誤解を3つ、まとめて。「出典を書けば使える」——書いても、引用の条件を満たしていなければ解決しません。「加工すればわからない」——加工することでかえって別の問題が重なります。「小さいお店だから見つからない」——公開しているものは誰でも見られる状態にあり、規模は関係ありません。いずれも、記事の後半でご紹介する「差し替える」より安く済む方法ではありません。

06制作会社に任せた画像を確かめる/もし連絡が来たら

ここからは、制作を外に頼んでいる場合の話です。私たち自身が制作をしている側なので、正直にお伝えします。サイトを世の中に公開しているのは、制作会社ではなくお店です。そのため、何かあったときに権利者が連絡先として見るのもお店になります。作ってもらう側にも確かめる価値がある、というのはそういう意味です。

公開前に聞く、3つの質問

難しい言葉は要りません。次の3つをそのまま聞いてください。きちんとしている制作会社なら、どれも即答できます。

  • 「サイトで使っている写真とイラストは、それぞれどこから持ってきたものですか?」
  • 「有料素材が含まれる場合、ライセンスはどなたの名義で買っていますか?」(契約終了後も使えるかがここで決まります)
  • 「この画像を、チラシや名刺、SNSにも使って大丈夫ですか?」(媒体をまたぐと条件が変わることがあります)

3つ目は特に大事です。ホームページ用に用意した画像が、そのままチラシに使えるとは限りません。見積書の見方をまとめた記事制作会社を乗り換えるときの記事でも触れていますが、素材の権利は「サイトごと引き継げるもの」と「引き継げないもの」に分かれます。乗り換えのときに初めて気づくと、作り直しになります。

見覚えのない請求や警告が届いたら

心当たりがある・ないにかかわらず、慌てないことが第一です。順番があります。

画像の権利に関する請求や警告が届いたときの、初動を時間軸で示した図 画像について連絡・請求が届いた 今日のうちに ・その場で支払わない ・指摘された画像を いったん外す ・外す前の画面を スクリーンショット ・届いた文面を保存 数日のうちに ・その画像の出どころ を自分で調べる ・制作会社に確認する ・素材サイトの購入 履歴を探す ・相手の身元も確認 それから ・調べた事実を 落ち着いて返す ・金額の話になったら 弁護士に相談する ・同じサイト内に 他にないかを点検
図2: 順番を守るだけで、落ち着いて対応できます。いちばんやってはいけないのは、内容を確かめずにその場で支払うことです。

2つ補足します。ひとつは、指摘された1枚を外して終わりにしないこと。同じ経緯で入った画像が他にもある可能性があります。もうひとつは、相手が本当に権利者なのかを確かめること。請求を装った連絡が来ることもあります。急かされても、その日に振り込まないでください。

FAQよくあるご質問

お客様がSNSに上げてくれたお店の写真を、ホームページに載せてもいいですか?

撮った本人に許可をもらってから載せてください。写っているのが自分のお店や自分の料理でも、その写真そのものの権利は撮影した人にあると考えられるためです。「うれしかったので、お店のホームページで使わせていただけませんか」と一言送るだけで、多くの方は快く応じてくださいます。あわせて、載せる場所(ホームページかSNSか)と、お名前やアカウント名を出すかどうかも、そのときに決めておくと後で困りません。

フリー素材だけでホームページを作っても大丈夫ですか?

規約の範囲内で使う分には問題ありませんが、集客という点では自分のお店の写真にかないません。フリー素材は同じ写真を他のお店も使えるため、見比べられたときに「どこかで見た写真」になりやすいからです。おすすめは、外観・店内・商品・スタッフといった「あなたのお店にしかないもの」はご自分で撮って、背景や説明図など差がつかないところにフリー素材を使う組み合わせです。スマホで十分きれいに撮れます。

生成AIで作った画像は、お店のホームページに使えますか?

使えるかどうかは、利用したサービスの規約によります。商用利用を認めているサービスもあれば、有料プランだけに限っているサービスもあるため、まずご自分が使ったサービスの規約をご確認ください。加えて、できあがった絵に既存のキャラクターやロゴに似たものが混ざっていないかは、目で見て確かめる必要があります。実在の商品・店舗・人物として受け取られる使い方は避け、雰囲気を伝える挿絵として使うのが無難です。

制作会社に作ってもらったサイトの画像で問題が起きたら、責任は誰にありますか?

契約の内容によって変わるため、一律にはお答えできません。ただ、実際に権利者から連絡が来るのはサイトを公開している事業者、つまりお店側であることが多いです。だからこそ、公開前に「この画像はどこから持ってきたものですか」と確認しておく意味があります。誠実な制作会社であれば、素材サイト名とライセンス、撮影者などをすぐに答えられます。答えが出てこない画像は、公開前に差し替えてもらってください。

まとめ

画像の権利は、覚えることの多い分野に見えます。でも実務でやることは、驚くほど少ないです。

  • 判断は「その1枚がどこから来たか」で決まる。たどれない画像は載せない
  • 「フリー」は無料であって自由ではない。商用・点数・クレジット・加工・写り込み・ロゴ用途の6項目を見る
  • 人が写る写真は、撮る前に使いみちを伝えて、同意をメールやLINEで残す
  • 出典を書いても引用にはならない。お店のサイトで引用が成立する場面はほとんどない
  • 制作会社には公開前に「この画像はどこから?」と聞く。答えられない画像は差し替えてもらう
  • 連絡が届いたら、支払う前に外して調べる。急かされても、その日に振り込まない

そして最後にもう一度。いちばん安全で、いちばんお客様に効くのは、自分のお店で自分が撮った1枚です。権利の心配がなく、他店と絶対にかぶらず、実際の様子が伝わります。イラストで世界観を出したい場合の考え方はオリジナルイラストの記事にまとめました。

xFactory 編集部
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