写真はリアルさを伝えるのが得意。でも、お店の「やわらかさ」や「こだわり」といった空気感までは、写真だけでは伝えきれないことがあります。そんなとき力になるのが、オリジナルのイラストです。この記事では、写真とイラストの使い分けから、世界観を揃えるコツ、依頼するときの伝え方、知っておきたい権利の注意点まで、順番にご案内します。

01イラストは「お店の人柄」を見せられる

同じ情報でも、写真だと事実、イラストだと印象が伝わります。手描き風のあたたかいタッチ、すっきりしたモダンなタッチ——絵柄そのものがお店の人柄になります。お客様が「なんとなく好き」と感じる入口を、イラストはつくってくれます。

「なんとなく好き」は、あなどれません。メニューも価格も見比べた上で、最後は「雰囲気が好きだから」で選ばれることは多いもの。その「雰囲気」を、開店前のお客様にも届けられるのがイラストの力です。とくに、店内写真をまだ撮りためていない開業期や、写真にすると生活感が出てしまう業種では、イラストが心強い味方になります。

02写真とイラスト、どう使い分ける?

イラストは写真の代わりではなく、役割の違う道具です。それぞれの得意・不得意を知ると、どこにイラストを置くべきかが見えてきます。

項目写真が得意イラストが得意
伝わるもの事実・リアルさ(料理・店内・人)印象・空気感(やわらかさ・こだわり)
向く場面メニュー写真・外観・スタッフ紹介トップの挿絵・案内図・キャラクター
説明のしかた「実物はこうです」と見せる「流れ・仕組み」を分かりやすく描く
苦手なこと抽象的な概念・未完成のもの実物の質感・「本物の証拠」になること

使い分けの目安はシンプルです。「実物を見せて安心してもらう」場面は写真、「雰囲気や流れを伝える」場面はイラスト。たとえば飲食店なら、料理は写真で、初めての方向けの「ご注文の流れ」はイラストで、という組み合わせが効きます。

031枚のイラストが、何度も働く

イラストは、1枚あるだけで使いまわせるのが魅力です。次のような場面で活躍します。

  • ホームページのトップやサービス紹介の挿絵
  • SNS投稿のアイキャッチ・季節のあいさつ
  • メニュー表やチラシのワンポイント
  • 「お店の流れ」を説明する図解カット
1枚のオリジナルイラストがホームページ、SNS、メニューやチラシ、案内図解の4つの場面に展開される図 オリジナル イラスト1枚 ホームページ SNS投稿 メニュー・チラシ 案内・図解カット
図1:1枚のイラストが働く場所。同じ絵が複数の接点に現れることで、お店の印象が積み上がります。

イラストの費用対効果は「何枚つくるか」より「1枚を何回使うか」で決まります。まず、いちばん目立つ場所(ホームページのトップなど)に置く1枚から始めるのがおすすめです。

とくに相性がいいのが、季節やお知らせと組み合わせた使い方です。同じイラストでも、添える言葉を変えれば「年末年始の営業案内」「新メニューのお知らせ」と何度でも主役になれます。写真のように撮り直す必要がないので、SNSを続けるのがラクになるという副次効果も見逃せません。

04世界観を揃える3つの決めごと

1枚だけでなく、複数のイラストで絵柄・色みを揃えると、お店全体の印象が統一されます。ホームページ・SNS・印刷物で同じトーンの絵が使われていると、お客様の記憶に残りやすくなります。揃えるために最初に決めておきたいのは、次の3つです。

① タッチ(絵柄の雰囲気)

手描き風・水彩風・すっきりした線画——タッチはお店の人柄そのもの。「あたたかい」「上品」「にぎやか」のような言葉で方向を決めておくと、2枚目以降もぶれません。

② 色(使う色を絞る)

イラストの色は、ロゴやお店の内装と揃えると統一感が出ます。メインの色を2〜3色決めて、どのイラストでも同じ色を軸に使うのがコツです。

③ モチーフ(繰り返し登場するもの)

お店の看板猫、商品のシンボル、店主のキャラクターなど、繰り返し登場する主役を1つ決めると、イラスト同士が自然につながります。続けるうちに「あの絵のお店」と覚えてもらえるようになります。

イラストは、人柄 × 統一感。お店の「らしさ」を、言葉より先に届けます。

05依頼するときの伝え方

「絵のことは分からないから頼めない」と思う必要はありません。依頼に絵心は不要です。好みと用途を伝える準備さえあれば、あとはつくる側の仕事。次の4ステップで進めてみてください。

  1. 好きなイラストの実例を2〜3点集める
    SNSや雑誌で「こういう感じが好き」と思う絵を保存しておきます。言葉で説明するより、実例を見せる方が何倍も正確に伝わります。
  2. お店の「らしさ」を言葉にする
    「あたたかい・丁寧・気軽」のような形容詞を3つほど。ロゴづくりで決めた言葉があれば、それをそのまま使えます。
  3. 使う場面をリストにする
    ホームページ・SNS・メニューなど、使う予定の場面を伝えます。場面が分かると、適した構図やデータ形式で納品してもらえます。
  4. ラフの段階で方向を確認する
    完成してからの大幅修正はお互いに大変。下描き(ラフ)の段階で「雰囲気はこれでいいか」を確認するのが、満足度の高い仕上がりへの近道です。

06知っておきたい、権利と注意点

イラストを商売に使うときは、権利まわりを最初に確認しておくと安心です。むずかしく考える必要はなく、ポイントは3つだけ。①商用利用できるか、②加工・使い回しはどこまでできるか、③独占(他のお店は使えない)かどうか。発注前にこの3点を聞いておけば、後からのトラブルはほぼ防げます。

xFactory のイラスト作成は、AI生成と人の仕上げを組み合わせて、HP・SNS・資料など用途に合わせたデータでお渡しします。商用利用可(非独占)で、いろいろな場面でお使いいただけます。料金はサービス一覧ページをご覧ください。なお、商標や既存作品との非類似は保証できず、実在の人物の肖像はお取り扱いしません。あらかじめご了承ください。

フリー素材との違いも、ここにあります。無料のイラスト素材は手軽ですが、他のお店でも同じ絵が使われている可能性があり、「うちらしさ」は出せません。お店の顔になる場所ほど、オリジナルの1枚が効きます。

FAQよくあるご質問

絵心がなくても、イラストを依頼できますか?

もちろんです。依頼に絵のスキルは必要ありません。必要なのは「どんな雰囲気にしたいか」を伝えることだけ。好きなイラストの実例を2〜3点集めて「こういう感じが好き」と見せる方法がいちばん確実です。言葉にするなら「あたたかい」「すっきり」「にぎやか」のような形容詞で十分。あとは使う場面(ホームページ・SNS・メニューなど)を伝えれば、つくる側が形にしていきます。

AIで作ったイラストをそのままお店に使ってもいいですか?

使うこと自体は可能ですが、注意点があります。AI生成のイラストは既存の作品と似てしまう可能性をゼロにできず、細部の崩れに気づきにくいこと、そして毎回タッチが変わって統一感を保ちにくいことが実務上の課題です。お店の顔として長く使うイラストは、AI生成をたたき台にしつつ、人の目と手で品質と統一感を整える方法をおすすめします。

どんなデータ形式で受け取ればいいですか?

ホームページやSNSで使うなら、背景が透けるPNG形式が便利です。チラシやメニューなど印刷物にも使う予定があるなら、印刷に耐える解像度の大きめデータも受け取っておきましょう。あわせて、利用できる範囲(商用利用の可否・加工の可否・独占かどうか)を発注時に確認しておくと、後から使い回すときに迷いません。

1枚だけ作っても意味がありますか?

あります。1枚のイラストでも、ホームページのトップ・SNSのアイキャッチ・メニューのワンポイントと複数の場面で使い回せるからです。まず1枚を「いちばん目立つ場所」に置いてみて、お店の雰囲気に合うと感じたら、同じタッチで2枚目・3枚目と増やしていく。最初に絵柄の方向さえ決めておけば、後から足しても統一感は保てます。

まとめ

オリジナルイラストは、写真では伝わらないお店の人柄や空気感を届けてくれます。写真と役割を分け、タッチ・色・モチーフを揃え、まず1枚から。この順番で始めれば、むずかしいことは何もありません。

人柄が伝わる絵柄、揃った世界観、まず1枚からの3つの掛け算が、選ばれる空気感につながる図 人柄 絵柄で見せる × 統一感 タッチ・色・主役 × まず1枚 使い回して育てる 「なんとなく好き」で選ばれるお店へ
図2:世界観づくりの3要素。完璧な計画より、1枚から始めて育てる方が続けやすくなります。

「どんな雰囲気が合うか分からない」という方も、ご相談からご一緒できます。好きなお店やイラストの話をするところから始めましょう。

xFactory 編集部
ローカル業者の「つくる」を、手の届く価格に。現場で効くノウハウをお届けします。