01なぜ「もう一度来てもらう」が大事か

「LINE公式アカウントは作ったけれど、なんとなく放置している」——そんなお店は少なくありません。新規のお客様を集めることに目が向きがちですが、すでに来てくれた人にもう一度来てもらうことも、お店の売上を支える大事な土台です。一度来て満足してくれた人は、また来てくれる可能性がいちばん高いお客様だからです。

ところが、お客様は悪気なくお店を忘れます。「良かったね、また行こうね」と言いながら、日々の忙しさの中で思い出すきっかけがないまま時間が過ぎていく。LINE公式アカウントの役割は、まさにここにあります。お客様の毎日使うアプリの中に、お店との接点を1つ持っておく。チラシのように捨てられず、メールのように埋もれにくい、手元に直接届く連絡手段です。

ただし、作っただけでは何も起きません。効果を分けるのは、最初の「設計」です。この記事では、①友だちになってもらう入口、②届ける中身と頻度、③続けるための運用の順に、最初に決めておくべきことを整理します。

02まず「友だちになる理由」を設計する

お客様は、ただ「登録してください」と言われても登録しません。登録するとどんな良いことがあるか——次回使えるクーポン、限定メニューの先行案内、予約のしやすさ。最初に「友だちになる理由」をはっきり用意することが、すべてのスタートです。

  • 登録特典を1つ用意する(次回使えるクーポン・ちょっとしたノベルティ・限定情報など)
  • あいさつメッセージを書き換える(初期設定のままにせず、「何が・どのくらいの頻度で届くか」を伝える)
  • 声をかける場面を決める(会計時のひとこと・席のPOP・ショップカードなど、お店の流れに組み込む)
  • QRコードを目につく場所に置く(レジ横・テーブル・入口。「探さないと見つからない」は無いのと同じ)
友だち登録までの導線:来店、会計時の声かけとPOP、QRコードを読み取る、特典を受け取って友だちになるの4ステップ 1 来店・利用 満足した「その場」が一番の好機 2 声かけ+POP 「登録で◯◯」と理由を添えて案内 3 QRコードを読み取る その場で10秒。後回しにさせない 4 特典+あいさつ 「登録してよかった」で関係が始まる
図1:友だち登録までの導線。「満足したその場で、理由とともに、10秒で登録できる」の3点がそろうと登録は増えやすくなります。

登録のお願いは、お客様がいちばん満足している瞬間に。「おいしかった」「すっきりした」の直後の一声が、POPだけを置いておくより何倍も効きます。

03届ける中身——「お得・役立つ・うれしい」だけ

友だちが増えたら、次は配信の中身です。迷ったら基準は1つ。受け取ったお客様にとって「お得・役立つ・うれしい」のどれかに当てはまるか。お店が言いたいことではなく、受け取る側の気持ちで選びます。配信の型を4つに整理しました。

配信の型内容の例頻度の目安
お得友だち限定クーポン・雨の日特典・誕生月のご案内月1回程度
先行・限定新メニュー/新商品の先行案内・予約枠の先行受付新しい動きがあるとき
役立つ情報季節のお手入れ方法・保存のコツ・混雑予想月1回程度
お知らせ営業時間の変更・臨時休業・年末年始の予定必要なときだけ

そして頻度は、合計で月2回程度に絞るのがおすすめです。常連を増やそうと毎日のように配信すると、情報が多すぎてブロックされ、逆効果になります。「少し物足りないかな」くらいが、長く付き合える距離感です。

深夜・早朝の配信は避ける。LINEはスマホに直接通知が届きます。配信は日中〜夜のお客様が受け取りやすい時間帯に。予約配信機能を使えば、営業の合間に作って好きな時間に送れます。

04一斉配信より「思い出してもらう」設計

LINE公式の本当の力は、宣伝を一斉に送ることではなく、お店を思い出してもらうきっかけを自然に作れることです。来店が途切れたお客様に季節のおすすめが届く。「そういえば最近行ってないな」と思い出す。この小さな積み重ねが常連づくりの近道です。

配信以外にも、最初に整えておくと効く機能があります。

  • リッチメニュー——トーク画面の下に出る固定メニュー。「予約する」「メニューを見る」「場所・営業時間」の3つを置くだけで、お店の窓口として機能します
  • 自動応答——営業時間外の問い合わせに「明日の営業開始後にお返事します」と自動で返せば、お客様を待たせる不安がなくなります
  • 1対1のチャット——予約の相談や取り置き依頼など、電話より気軽な相談窓口に。対応できる時間帯をあいさつメッセージに書いておくと親切です

続く運用は、登録の理由 × 適切な頻度 × 思い出すきっかけでできています。

05立ち上げから初配信までの手順

ここまでの設計を、実際の作業に落とすと次の5ステップです。一気にやれば半日、すきま時間でも1〜2週間あれば初配信までたどり着けます。

  1. アカウントを作成し、基本情報を埋める
    店名・営業時間・住所・写真を登録します。プロフィールページはお店の名刺代わりになるので、空欄を残さないこと。
  2. 登録特典とあいさつメッセージを用意する
    「友だちになる理由」をここで形にします。あいさつメッセージには、特典の受け取り方と配信頻度(月2回程度)を明記。
  3. リッチメニューを設定する
    「予約・メニュー・アクセス」の3ボタンから。凝ったデザインは後回しでかまいません。
  4. 店頭の導線を作る
    QRコード付きPOPをレジ横とテーブルに設置し、会計時の声かけフレーズをスタッフ全員で揃えます。
  5. 初回配信を送り、月2回のサイクルに乗せる
    1通目は自己紹介+お得情報のセットが定番。以降は「月の前半にお得、後半に役立つ情報」など、自分が続けられる型を決めて回します。
月2回配信の運用サイクル:月前半にお得な配信、月後半に役立つ配信、月末に反応を確認して翌月の内容を決める循環図 月前半:お得な配信 クーポン・限定案内 月後半:役立つ配信 季節情報・コツ 月末:反応を見る 開封・クーポン利用を確認 翌月の内容を決める 反応の良い型を続ける
図2:月2回配信の運用サイクル。型を決めて回し、月末に反応を見て少しずつ調整する——この繰り返しで十分です。

06自分でやるか、頼むか

ここまでの設定は、すべてお店ご自身の手でできます。LINE公式アカウントには無料で始められるプランがあるので、まずは作って、特典とあいさつメッセージだけでも整えてみてください。

一方で、「リッチメニューの画像が作れない」「特典を何にすればいいか決めきれない」「設定画面がそもそも難しい」で止まってしまうお店も多くあります。xFactory のLINE公式立ち上げサポートでは、登録特典の設計からあいさつメッセージ、リッチメニュー、最初の配信設計まで、お店に合わせて一緒に整えます。「作ったけど使えていない」状態からの立て直しのご相談も歓迎です。

FAQよくあるご質問

LINE公式アカウントは無料で使えますか?

無料で始められるプランが用意されています。月に送れるメッセージ通数によってプランが分かれており、配信数が増えると有料プランが必要になります。プランの内容や料金は変わることがあるため、最新の情報はLINEヤフー社の公式サイトでご確認ください。月2回程度の配信なら、多くの個人店は無料の範囲で運用を始められます。

何を配信すればいいか分かりません。

迷ったら「お客様にとってお得・役立つ・うれしい」のどれかに当てはまる内容だけに絞ってください。具体的には、友だち限定のクーポンや先行案内、季節のおすすめ、予約の空き状況、営業時間の変更などです。お店が伝えたいことではなく、受け取る側がうれしいかどうかで選ぶのがコツです。

ブロックされてしまうのが怖いです。どうすれば減らせますか?

ブロックの主な原因は「配信が多すぎる」「内容が自分に関係ない」の2つです。月2回程度に絞り、毎回「お得・役立つ・うれしい」のどれかを満たす内容にすることで、ブロックされにくくなります。また、一定数のブロックは自然に発生するものなので、1件ごとに落ち込む必要はありません。

個人のLINEで連絡を取るのと何が違うのですか?

LINE公式アカウントは事業用のサービスで、一斉配信・自動応答・クーポン発行・複数スタッフでの管理など、お店の運用に必要な機能がそろっています。また、お客様と個人の連絡先を交換せずにやり取りできるため、お客様にとってもお店にとっても安心です。事業の連絡を個人アカウントで行うのは避けましょう。

まとめ

LINE公式アカウントは、作ること自体より最初の設計がすべてです。友だちになる理由を用意し、「お得・役立つ・うれしい」だけを月2回届け、お店を思い出すきっかけを作り続ける。この3つがそろえば、一度来てくれたお客様との関係が、少しずつ「常連」へ育っていきます。

「自分のお店なら特典は何がいい?」という段階のご相談も歓迎です。お気軽にお声がけください。

xFactory 編集部
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