「うちもそろそろ動画をやってみたい」。SNSや同業のホームページで動画を見かけるたび、そう思いながらも手が止まってしまう——そんなお店・事業者の方は少なくありません。理由はたいてい同じで、「何から準備すればいいのか分からない」からです。

結論からお伝えすると、PR動画づくりは撮影や編集よりも「作る前の整理」が9割です。この記事では、機材もカメラの知識もない状態から、迷わず準備を進めるための考え方と手順を、順番にご案内します。

01PR動画にできること、できないこと

最初に、期待値を正しく合わせておきましょう。PR動画が得意なのは、文字や写真では伝わりにくい「空気感」を短時間で伝えることです。お店の雰囲気、商品が使われている場面、スタッフの人柄。読むのに1分かかる説明文より、10秒の映像のほうが直感的に伝わる場面は多くあります。

一方で、動画は魔法の道具ではありません。作っただけで売上や来店が増えると約束できるものではないのです。動画は「興味を持ってもらう入口」であって、その先の予約のしやすさやお店そのものの魅力とセットで、初めて力を発揮します。

だからこそ大事なのが、「この動画は何のために作るのか」を先に決めること。新規のお客様への認知づくりなのか、来店を迷っている人への後押しなのか。目的によって、見せる内容も置く場所も変わります。

PR動画は「お店の代わりに第一印象を作る道具」。目的を先に決めると、このあとの準備がすべて速くなります。

02最初に決める3点セット「誰に・何を・どうしてほしいか」

準備の中心になるのが、この3点セットです。①誰に見てほしいか、②何をいちばん伝えたいか、③見たあとどうしてほしいか。紙に3行書くだけでかまいません。これが動画の設計図になります。

「誰に」は、できるだけ具体的な一人を思い浮かべるのがコツです。「30代・子育て中・平日昼間に近所で探している」のように絞るほど、言葉も映像も選びやすくなります。「みんなに見てほしい」は、結果として誰にも刺さらない動画になりがちです。

PR動画の設計図になる3点セット:誰に、何を、どうしてほしいかの3つを決めると動画の設計図が完成する図 1 誰に 見てほしい相手を 具体的な一人で決める 2 何を いちばんの強みを 1つだけに絞る 3 どうして ほしいか 来店・予約・問い合わせ 動画の設計図が完成 構成・言葉・映像の判断基準になる
図1:3点セットがそのまま動画の設計図になります。迷ったらここに戻って判断します。
  • 見てほしい相手(年代・状況・探しているもの)を一言で書く
  • 一番伝えたい強みを1つだけ選ぶ
  • 見た人にしてほしい行動(来店・予約・問い合わせ・LINE登録)を決める
  • 3つを紙やスマホのメモに残し、制作中いつでも見返せるようにする

03伝えることは、1つに絞る

3点セットの中でも、いちばん難しく、いちばん効くのが「何を」の絞り込みです。30秒の動画で記憶に残ることは、せいぜい1つ。「あれもこれも」は「結局なにも」と同じになってしまいます。

絞り方のコツ:お客様の言葉から選ぶ

自分では当たり前すぎて気づかない強みが、お客様にとっての決め手だったということはよくあります。常連のお客様に「なぜうちを選んでくれたんですか?」と聞いてみる、口コミやアンケートを読み返してみる。繰り返し出てくる言葉が、動画の主役候補です。

「全部入り」にしたくなったら

伝えたいことが複数あるのは自然なことです。その場合は、1本に詰め込むのではなく、テーマごとに短い動画を分ける発想に切り替えましょう。「商品紹介編」「お店の雰囲気編」のように分ければ、それぞれが明確になり、SNSでの投稿ネタも増えます。

いい動画は、誰に × 何を1つ × 行動がはっきりしています。

04素材は「いまあるもの」で十分

「動画を作るなら撮影が必要では?」と思われがちですが、xFactoryの動画制作は実写撮影を行わない方式です。お手元にあるスマホ写真・過去の素材と、AIで生成した映像を組み合わせて仕上げます。高価な機材も、撮影日の段取りも要りません。

準備としてお願いしたいのは、「いまあるもの」の棚卸しだけ。次の表を参考に、手元の素材を集めてみてください。

素材の種類集めるときのポイント
写真商品・店内・外観・スタッフ明るい時間帯のもの。スマホ撮影で十分
短い動画作業風景・調理シーン・接客の様子数秒のものでOK。ブレていても使える場合あり
ロゴ・印刷物ロゴデータ・チラシ・メニュー表データがなければ現物の写真でも可
言葉キャッチコピー・お客様の声口コミやアンケートの言葉が説得力に
基本情報営業時間・場所・予約方法動画の最後の「行動」につながる情報

他人の素材に注意。市販のCD音源、ネットで拾った画像、他社の映像などを許可なく使うと、著作権の問題になります。動画に使うのは「自分で撮ったもの・権利を持っているもの・利用が許可されたもの」だけにしましょう。お客様が写っている写真は、本人の了承を得てから使うのが安心です。

0530秒の設計図 — 構成の型を知る

素材がそろったら、構成です。といっても難しく考える必要はありません。30秒のPR動画には「つかみ → 本題 → 行動」という定番の型があります。

30秒PR動画の時間配分:最初の3秒でつかみ、3秒から20秒で本題、20秒から30秒で行動の呼びかけという構成図 0–3秒 3–20秒 20–30秒 つかみ 見続けるか決まる勝負どころ。 一番いい映像・一言を最初に 本題(強み1つ) 絞った強みを場面で見せる。 説明より「使われている姿」 行動の呼びかけ 予約・来店・問い合わせなど 「次の一歩」をはっきり示す 最初の3秒に「一番いいもの」を置くのが鉄則
図2:30秒の時間配分の目安。後半に取っておきたくなる「一番いい映像」こそ、冒頭に置きます。

とくに大事なのが冒頭3秒です。SNSでは、最初の数秒で「見続けるか、スクロールして通り過ぎるか」が決まる傾向があります。起承転結の「起」から丁寧に始めるのではなく、一番おいしい場面を最初に見せる。これだけで動画の印象は大きく変わります。

06準備から完成までの流れ

ここまでの内容を、実際の進め方に落とすと次の4ステップになります。1〜3はオーナーご自身にしかできない部分、4は私たちのようなプロやAIツールに任せられる部分です。

  1. 3点セットを書き出す(30分)
    誰に・何を1つ・どうしてほしいか。お客様の声を読み返しながら、紙に3行で書きます。
  2. 素材を棚卸しする(1時間)
    スマホの写真フォルダ・過去のチラシ・ロゴデータを集めます。足りない分は無理に作らず「ない」とメモするだけでOK。
  3. 構成メモを作る(30分)
    「つかみ→本題→行動」の型に、見せたい場面と一言を当てはめます。箇条書きで十分です。
  4. 制作に渡す・仕上げる
    ここから先は編集とAI生成の領域。3点セットと素材がそろっていれば、制作はスムーズに進みます。

逆に言うと、1〜3を飛ばして「いい感じにお願いします」と制作に入ると、誰にも刺さらない動画になりやすいのです。準備の3時間が、仕上がりの9割を決めます

FAQよくあるご質問

撮影に来てもらえますか?

xFactoryのPR動画は実写撮影を行わない方式です。お手元のスマホ写真・既存素材とAI生成映像を組み合わせて仕上げるため、撮影日の調整や営業中のカメラ対応は不要です。撮影クルーを呼ぶ前提の制作と比べて、準備の負担を小さく始められるのがこの方式の特徴です。

素材がほとんどなくても作れますか?

作れます。足りない映像はAI生成で補えるためです。ただし、お店の外観・商品・ロゴなど「実物にしかないもの」が1枚でもあると、仕上がりの説得力が変わります。まずはスマホの中の写真を見返すところから始めてみてください。

動画の長さはどのくらいがいいですか?

使う場所によって変わりますが、初めてのPR動画なら30秒前後を目安にすることをおすすめします。SNSでは最初の数秒で見るかどうかが決まる傾向があり、短いほど最後まで見てもらいやすくなります。伝えたいことが多い場合は、長い1本より短い複数本に分ける方法もあります。

完成した動画はどこで使えますか?

ホームページのトップ、SNSの投稿や広告、店頭のモニター、商談や説明会など、複数の場面で使い回せます。納品形式やサイズ違いの展開はご相談ください。1本の動画を複数の接点で使うことで、制作費に対する活用の幅が広がります。

まとめ

はじめてのPR動画で迷ったら、思い出すのはこれだけです。誰に・何を1つ・どうしてほしいか。この3点セットを書き出し、手元の素材を棚卸しし、「つかみ→本題→行動」の型に当てはめる。機材も撮影もない状態から、ここまでは今日にでも始められます。

xFactory のPR動画制作は、この「作る前の整理」から伴走します。実写撮影なしで、お持ちの素材とAIの力を掛け合わせて仕上げる方式なので、「素材がこれだけしかないけど大丈夫?」という段階のご相談も歓迎です。

xFactory 編集部
ローカル業者の「つくる」を、手の届く価格に。現場で効くノウハウをお届けします。