先に結論からお伝えします。ホームページ制作会社の乗り換えは、「新しい会社を探すこと」から始めると、たいてい失敗します。いちばん大切なのは順番です。①いまのドメインとデータが誰のものかを確かめ、②新しいお願い先とデータの受け取り方を決め、③最後に、契約書で決まった期日どおりに事務的に解約を伝える——この逆算の順番を守れば、URLもこれまでの中身も失わずに引っ越せることがほとんどです。この記事では、専門用語をふつうの言葉に置きかえながら、乗り換えの全体像と手順を、中の人(乗り換え先の候補)の立場で正直にご説明します(2026年7月時点)。

01なぜ「乗り換え」でつまずくのか

乗り換えでいちばん多い失敗は、順番の取り違えです。今の会社への不満が募ると、つい「もう解約します」と先に伝えたくなります。ところが、ドメインやデータの引き渡しがまだの段階でそれをやると、引っ越しの準備が整う前に住所を手放すようなことになりかねません。感情が先に立つほど、失うものが増えてしまうのです。

なぜそうなるのか。ホームページは、いくつかの部品でできています。ドメイン(ネット上の住所)、サーバー(サイトを置いておく土地)、そして中のデータ(文章・写真・デザイン)。これらが今の制作会社の管理下にあると、円満に引き渡してもらえるかどうかが相手しだいになります。だからこそ、先に「自分のものを確保してから」動くのが鉄則です。

乗り換えの正しい順番:名義を確認、データとドメインを確保、最後に解約通知の3ステップ。感情的に先に解約を告げないことが大切。 最初にやってはいけないこと 感情的に「解約します」と先に伝える → ドメイン・データを失う原因に 1 名義を確認する ドメイン(住所)とサーバー(土地)が誰のものかを調べる 2 データと新体制を確保する 新しいお願い先を決め、データの受け取り方を段取りする 3 最後に、事務的に解約を伝える 契約書で定められた期日どおりに、感情を挟まず淡々と
図1:乗り換えの正しい順番。解約を告げるのは、いちばん最後です。順番を逆にすると、住所とデータを失いかねません。

「解約します」の一言は、すべての準備が終わってから。気持ちのうえでは今すぐ言いたくても、ぐっとこらえるのが結果的にいちばん得をします。順番さえ守れば、乗り換えは決して怖い作業ではありません。

02まず確かめる「名義」——ドメイン・サーバーは誰のもの?

乗り換えの難しさは、腕やセンスの問題ではなく、ほぼ「名義」で決まります。名義とは「誰の持ち物として登録されているか」ということ。ドメインとサーバーが自社の名義なら、自分の判断で引っ越せます。制作会社の名義だと、引き渡しに相手の協力が必要になります。まずは、この記事で出てくる横文字をふつうの言葉に置きかえておきます。

横文字ふつうの言葉でいうと
ドメインネット上の住所(例:あなたの会社.com という文字列)
サーバーホームページを置いておく土地
AuthCodeドメインを引っ越すときの暗証番号(今の会社からもらう)
DNS切替住所の「向き先」を新しい土地に変える作業
CMS自分でページを更新できる仕組み
リダイレクト古いURLから新しいURLへ自動で転送すること

そのうえで、名義のパターンによって引っ越しの難しさがどう変わるかを整理します。ご自身がどれに当てはまるか、契約書やサーバーの管理画面で確認してみてください。

名義のパターン起こりやすいこと引っ越しの難しさ
ドメインもサーバーも自社名義自分の判断で移せる。協力を待つ必要が少ない低い
ドメインは自社/サーバーが制作会社名義中のデータを受け取るのに相手の協力が要る中くらい
ドメインもサーバーも制作会社名義住所ごと相手が握っている。移管の依頼が前提になる高い

名義が制作会社でも、乗り換えができないわけではありません。移管の協力をていねいに依頼すれば、多くは前に進みます。大切なのは、ドメイン・サーバーの管理画面のログイン情報が手元にあるか、そして今の会社からAuthCode(引っ越しの暗証番号)を受け取れるかの確認です。ただし、契約や著作権にかかわる細かい取り決めは会社ごとに違いますので、判断に迷うときは契約書やお近くの専門家にご確認ください

03乗り換え=作り直し、とは限らない

「会社を変えたら、また一から作り直しですよね?」——よくいただく心配ですが、必ずしもそうではありません。分かれ道は、今のデータが「持ち出せる形」かどうかです。

乗り換えで引っ越しで済むか作り直しになるかの分かれ道。データが自社名義で一般的な作り方なら引っ越し、独自の仕組みなら作り直しになりやすい。 いまのデータは自社名義で、 一般的な作り方ですか? はい いいえ 引っ越しで済む 今のサイトをそのまま 新しい土地へ移せる URL・中身は基本そのまま = 検索の評価も引き継ぎ 作り直しになりやすい 業者だけの独自の仕組み (独自CMS)でデータを 外に持ち出せない場合 = まず作り方の確認から
図2:乗り換えが「引っ越し」で済むか「作り直し」になるかの分かれ道。多くは、まず今の作り方を確かめるところから始まります。

自社名義のドメインで、一般的な作り方(よく使われるCMSや標準的なHTML)で作られていれば、多くは今のサイトをそのまま新しい土地へ「引っ越し」できます。URLを変えなければ、検索での評価も基本的に引き継がれます。反対に、その制作会社だけの独自の仕組み(独自CMS)で作られていて、データを外に持ち出せない場合は、作り直しが必要になりやすいです。

どちらなのかは、今の会社に「データ一式をいただけますか」と尋ねるか、新しいお願い先に今のサイトを見てもらえば判断できます。まず作り方を確かめる——これが遠回りに見えて、いちばんの近道です。いきなり作り直しを勧めてくる相手には、「引っ越しで済まない理由」を具体的に説明してもらいましょう。

04引き継ぐものリストと、角を立てない解約の伝え方

ここからは具体的な手順です。くり返しになりますが、ポイントは「解約を告げるのは最後」。次の順番で、逆算して動きます。

  1. 名義とデータの棚卸しをする
    契約書を出し、ドメイン・サーバーの名義と、管理画面のログイン情報が手元にあるかを確認します。解約の予告期間や違約金の条件もここで読んでおきます。
  2. 新しいお願い先を選び、すり合わせる
    今のサイトを見てもらい、「引っ越しで済むか、作り直しか」「費用と期間」を確認します。乗り換えの実務に慣れているかも大事な判断材料です。
  3. データとドメインの引き継ぎを確保する
    今の会社にデータ一式と、ドメインの移管に使うAuthCode(引っ越しの暗証番号)を依頼します。まだ解約は告げず、あくまで事務的なお願いとして。
  4. 新しいサイトを公開し、動作を確認する
    DNS切替(住所の向き先の変更)が終わったら、スマホ・パソコンの両方で表示を確認。古いURLからの転送(リダイレクト)が要る場合も、この段階で整えます。
  5. 契約書の期日どおりに、事務的に解約を伝える
    すべての引き継ぎが終わってから、契約で定められた方法・期日で通知します。感情を挟まず「契約満了に伴い」と淡々と伝えるのが、あとくされのないやり方です。

解約を伝えるときは、これまでの不満をぶつける必要はありません。相手も商売ですから、円満に区切りをつけるほうが、最後の引き渡しまでスムーズに進みます。念のため、引き継いでおきたいものを一覧にしておきます。

  • ドメインの管理権と、移管に使うAuthCode(引っ越しの暗証番号)
  • サーバー内のデータ一式(文章・ページの中身)
  • 写真・ロゴ・イラストの元データ
  • これまで作った原稿や文章(自分で書いたものは特に)
  • アクセス解析やGoogleビジネスプロフィールなど、外部サービスの管理権

連絡が取れない・音信不通の場合は事情が変わります。この記事は「連絡は取れて契約も生きている、通常の乗り換え」を前提にしています。相手と連絡がつかないケースは連絡が取れない制作会社への対処法にまとめていますので、そちらをご覧ください。

05費用と時間の目安——総額で比べる

費用は「何を引き継ぐか」で大きく変わります。そのまま引っ越すのか、作り直すのか。ここで世間の相場金額を並べても、あなたのサイトには当てはまりません。大切なのは金額の絶対値ではなく、比べ方です。

おすすめは、初期費用だけでなく毎月の運用費も含めて「数年分の総額」で今と比べること。初期費用 + 毎月の費用 × 契約する年数で並べると、月額が安く見える契約や、長い縛りのある契約の落とし穴を避けられます。見積書のどこを見ればいいかは、ホームページ制作の見積書、どこを見る?にまとめています。

比べるのは初期費用の安さではなく、数年分の総額。月額の小ささに、長い縛りが隠れていることがあります。

時間の目安は、引っ越しで済むなら、名義の確認から公開まで数週間ほどで進むことが多いです(相手の協力の早さで前後します)。作り直しになる場合は、原稿や写真の準備を含めて、もう少し余裕をみておくと安心です。xFactoryの場合、ホームページ制作は税別50,000円(税込55,000円)から承っています(2026年7月時点)。順位や集客をお約束することはできませんが、乗り換えの段取りごと、一緒に整理させていただきます。

06乗り換える前に——今の会社と話す選択肢も

最後に、乗り換え先の候補として少し正直な話を。乗り換えが、いつも最善とは限りません。不満の中身によっては、乗り換えないほうが早くて安く済むこともあります。中の人として、そこは煽らずにお伝えします。

たとえば不満が「更新のたびに費用と時間がかかる」なら、まず自分で更新できる仕組み(CMS)に切り替える相談を今の会社にしてみる手があります。「反応が遅い」だけなら、窓口や連絡方法を変えるだけで解決することもあります。URLやドメインだけを変えたい場合は、乗り換えとは別の実務になります(ホームページのURL・ドメイン変更のやり方をご覧ください)。

一方で、「契約の内容が不透明なまま高い支払いが続いている」「言われるままに更新できず、こちらの要望が通らない」といった場合は、乗り換えを前向きに考えてよい局面です。大事なのは、感情ではなく「何に困っているか」を言葉にすること。それがはっきりすれば、乗り換えるべきか、話し合いで済むかは自然と見えてきます。判断に迷うときは、無料相談で一緒に考えます。

FAQよくあるご質問

今の制作会社に「乗り換えます」と言ったら、サイトを消されたりしませんか?

契約に沿って正当に解約する限り、通常は問題ありません。ただし感情的に先に解約を告げると、ドメインやデータの引き渡しが滞ることがあります。先に名義とデータを確保し、新しい体制を整えてから、契約書で定められた期日どおりに事務的に伝えるのが安全です。不安な場合は契約書の内容をお近くの専門家に確認してください。(2026年7月時点の一般的な考え方)

制作会社を変えると、ホームページは必ず作り直しになりますか?

必ずではありません。ドメインやデータが自社名義で、一般的な作り方であれば、多くは"引っ越し"で今のサイトをそのまま移せます。作り直しが必要になりやすいのは、業者独自のシステム(独自CMS)で作られていてデータを持ち出せない場合などです。まず今の作り方を確認するのが先です。

乗り換えの費用はどのくらいかかりますか?

何を引き継ぐか(そのまま移すのか、作り直すのか)で大きく変わるため、金額を一律にお伝えするのは難しいです。大切なのは、初期費用だけでなく毎月の運用費も含め「数年分の総額」で今と比べることです。xFactoryの場合、ホームページ制作は税別50,000円(税込55,000円)から承っています(2026年7月時点)。

今のURL(ドメイン)はそのまま使い続けられますか?

多くの場合は使い続けられます。鍵になるのはドメインの「名義」と、移管に使う認証コード(AuthCode=引っ越しの暗証番号)を今の会社から受け取れるかどうかです。名義が自社なら比較的スムーズ、制作会社名義なら移管の協力を依頼する必要があります。URLを変えなければ検索での評価も基本的に引き継がれます。

まとめ

ホームページ制作会社の乗り換えは、勢いではなく順番です。①名義を確認する、②データと新しい体制を確保する、③最後に、契約書のとおりに事務的に解約を伝える。この3つを守れば、URLもこれまでの中身も失わずに、落ち着いて引っ越せます。感情的に先に解約を告げてしまうことだけは、どうか避けてください。

そして「乗り換えない」という選択も含めて、いちばん損の少ない道を一緒に考えます。今の作り方が引っ越しで済むのか、作り直しになるのか——その見立てだけのご相談も歓迎です。売り込みはいたしませんので、お気軽にお声がけください。

xFactory 編集部
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