01結論:国の制度で使えるのは、実質ひとつです

先に答えを申し上げます。2026年7月時点、ホームページの制作費そのものを国の補助金でみてもらう道は、小規模事業者持続化補助金の「ウェブサイト関連費」が実質的にひとつだけです。それも「ホームページ代の全額が出る」わけではなく、条件と上限があります。

そして、よく名前が挙がるIT導入補助金でホームページ制作費は対象外です。この制度は2026年度からデジタル化・AI導入補助金という名前に変わりましたが、ホームページが対象外という点は変わっていません。ここを勘違いしたまま制作を進めてしまう方が、少なくありません。

もうひとつの現実的な選択肢が、市区町村・都道府県が独自に用意している補助金です。こちらは地域によって内容がまったく違うので、この記事では「必ず自分の地域の窓口で確認する」という位置づけでご案内します。

ホームページを作りたいときに検討できる3つの制度と、それぞれが対象になるかどうかを示した図 ホームページを作りたい 小規模事業者 持続化補助金 条件つきで対象になる ・ほかの経費とセットで申請 ・HP分の補助は上限30万円 ・小規模事業者だけが対象 ・販路開拓が目的であること × デジタル化・AI 導入補助金 HP制作は対象外 ・旧「IT導入補助金」 ・登録されたITツールが対象 ・予約や会計のツールなら可 ・HP本体の制作費は別 自治体の 補助金 地域によって違う ・市区町村・都道府県ごと ・募集の時期も金額も別 ・国の制度より手続きが軽い  場合もある(要確認) 共通ルール:「交付決定」より前に発注すると対象外。お金は後払い(いったん立て替え)。
図1:ホームページ制作で検討できる3つの道。国の制度では持続化補助金がほぼ唯一の入口で、金額の上限と「ほかの経費とセット」という条件がつきます。金額・条件は公募回ごとに変わるため、必ず申請する回の公募要領でご確認ください。

02調べるほど話が食い違う、2つの理由

この話題を検索すると、書いてある金額や条件が記事ごとにバラバラで、どれを信じればいいのか分からなくなります。これはあなたの読み方の問題ではなく、2026年に制度そのものが2か所変わったことが原因です。

理由1:制度の名前が変わった

「IT導入補助金」は、2026年度からデジタル化・AI導入補助金に名称が変わりました(中小企業庁の案内ページに記載があります)。名前が変わったことで、古い名前で書かれた記事と新しい名前の記事が同時に検索結果に並び、別の制度のように見えてしまいます。中身は地続きの制度で、ホームページ制作が対象外という点も変わっていません

理由2:ホームページ代の上限ルールが変わった

もっと実害が大きいのはこちらです。小規模事業者持続化補助金の「ウェブサイト関連費」は、第19回までは「補助金の4分の1まで」という変動する決め方でした。それが第20回(2026年)からは上限30万円(税込)という決まった金額に変わりました。

つまり、いま検索して出てくる「ホームページには補助金の4分の1まで」「最大12.5万円まで」といった説明は、古いルールのまま残っている情報です。悪意があるわけではなく、更新が追いついていないだけですが、この数字を前提に資金計画を立てると狂います。

迷ったら、一次情報を1か所だけ見てください。小規模事業者持続化補助金〈一般型 通常枠〉第20回の公募要領(PDF・2026年5月27日公開)が正本です。「ウェブサイト関連費」で文書内を検索すれば、この記事で挙げた条件がそのまま書かれています。ブログ記事の数字と公募要領が食い違っていたら、公募要領が正しいと考えてください。

制度用語ふだんの言葉でいうと
公募要領その回のルールブック。金額・締切・対象がすべて書いてある
販路開拓新しいお客様に知ってもらう・買ってもらうための取り組み
交付決定「この計画にお金を出します」という正式なゴーサイン
実績報告やり終えたあと「こう使いました」と証拠つきで報告すること
精算払い・後払い先に自分で全額払い、あとから補助金が振り込まれる仕組み
事業支援計画書(様式4)商工会・商工会議所が出してくれる書類。申請に必須
処分制限財産一定額以上のものは、数年間は勝手に捨てたり譲ったりできない扱い
GビズID国の手続きに使う、事業者向けのログインID

03持続化補助金で、ホームページはどこまで見てもらえるか

ここが本題です。2026年7月時点の第20回公募要領をもとに、ホームページに関わる部分だけを取り出します。

まず対象になるのは「小規模事業者」です。公募要領では、常時使用する従業員の数で判断すると書かれています。商業・サービス業(宿泊業・娯楽業を除く)は5人以下、宿泊業・娯楽業は20人以下、製造業その他は20人以下。会社役員と同居の親族従業員は、この人数に含めません。

制度全体の枠は、補助上限50万円・補助率は3分の2(通常枠)。インボイス特例や賃金引上げ特例に当てはまる場合は上限が上乗せされます。そのうえで、ホームページ分には次の2つの制限がかかります。

  • ウェブサイト関連費だけでは申請できない——公募要領に「ウェブサイト関連費のみによる申請はできません。必ず、ほかの経費と一緒に申請してください」と書かれています。チラシ・パンフレットの作成や展示会への出展など、ほかの販路開拓の取り組みと組み合わせる必要があります
  • ホームページ分の補助金は上限30万円(税込)——「当経費の補助金交付申請額の上限は30万円(税込)です」と明記されています。受け取れる補助金の側の上限である点に注意してください(対象になる制作費の上限ではありません)

そして「どんなホームページなら対象か」も決まっています。公募要領が挙げている例を整理すると、次のとおりです。

対象になり得るもの対象にならないもの
商品販売のための自社ウェブサイトの作成・更新補助事業期間内に運用に至らなかったホームページ・ランディングページ
効果や作業内容が明確なウェブサイトのSEO対策(検索で見つかりやすくする作業)ウェブサイトやシステムに関するコンサルティング・アドバイス費用
ECサイトに掲載する宣材写真の制作費用すでに導入しているソフトウェアの更新料
販路開拓のためのシステム開発・構築販売そのものを目的としたシステム・ソフトウェア開発

左下から2つ目、「期間内に運用に至らなかったホームページは対象外」は特に見落とされます。作って納品してもらえば終わり、ではありません。決められた期間のうちに公開して、実際に使い始めているところまでが条件です。制作を頼むときは「納品日」ではなく「公開日」で逆算してスケジュールを組んでください。

ホームページの費用が50万円(税抜)以上になる場合は、もうひとつ条件が増えます。公募要領では、その場合そのウェブサイトが「処分制限財産」に当たり、通常は取得日から5年間、勝手に廃棄したり譲渡したりできなくなると説明されています。処分するときは事務局の承認が必要で、補助金の一部返還を求められることもあります。「数年後に作り替えるかもしれない」なら、覚えておきたい制約です。

04「IT導入補助金でホームページ」は、できません

ここは誤解がとても多いので、はっきり書きます。デジタル化・AI導入補助金(旧・IT導入補助金)で、ホームページ制作費は補助されません。

理由は制度の作りにあります。この補助金は「事務局に登録されたITツール」の導入を支援するもので、そもそも何が登録できるかが決まっています。その登録の対象外を定めた資料には、「ホームページ制作、サイト制作、WEBアプリ制作、スマートフォンアプリ制作、コンテンツ制作に供するもの」がはっきり挙げられています。ホームページと同じ仕組みのもの、広告宣伝に類するものも同様に対象外です。過去の公式のよくある質問でも「ホームページ制作は補助対象外となります」と回答されています。

では何なら使えるのか。予約管理・顧客管理・会計・受発注といった「業務のためのソフト」です。ホームページに予約システムを組み込む場合、予約システム(登録済みのITツール)の費用は対象になり得ますが、ホームページ本体のデザインやページ制作の費用は別——この線引きだと考えてください。申請は「IT導入支援事業者」として登録された事業者と一緒に行う仕組みなので、頼む先が登録事業者かどうかも事前確認が必要です。

なお2026年度の公募は、公募要領が2026年2月27日に公開され、申請受付は2026年3月30日から8月25日まで(中小企業庁の案内ページより・2026年7月時点)。持続化補助金とはスケジュールがまったく違います。

「補助金が使えます」と言われたら、どの制度の、どの費目でかを必ず聞いてください。ここが答えられない提案は、鵜呑みにしないほうが安全です。

05順番を間違えると、1円も出ません

補助金でいちばん多いつまずきは、金額の話ではなく順番です。とくに致命的なのが、「交付決定」より前に制作を発注してしまうこと。この場合、その費用は原則として対象外になります。見積もりをもらって気持ちが固まった段階で、つい「じゃあお願いします」と言ってしまう——これで補助金が消えます。

もうひとつ見落としやすいのが、商工会・商工会議所に出してもらう「事業支援計画書(様式4)」の締切が、申請の締切より前にあることです。第20回では、申請受付締切が2026年12月15日17時、様式4の発行受付締切は2026年12月4日。公募要領には「受付締切以降の発行依頼は、いかなる理由があってもできません」と書かれています。ここを逃すと、その回は申請自体ができません。

相談から入金までの8ステップ。交付決定より前に発注すると対象外になることを示した時間軸の図 申請から入金までの流れ(第20回・2026年7月時点) 1 相談する 商工会・商工会議所 窓口は無料 2 様式4を依頼 締切 12/4 遅れると申請不可 3 申請する 電子申請のみ 締切 12/15 17時 4 審査・採択 不採択・減額も あり得る 5 交付決定 ここから発注OK 正式なゴーサイン 6 制作・公開 期間内に公開して 運用を始めるまで 7 実績報告 領収書などの 証拠書類を提出 8 入金 後払い。制作費は 先に立て替える 最大の落とし穴:⑤交付決定より前に契約・発注した費用は、原則として対象外です。 「採択されそうだから先に進めておこう」が、いちばん惜しい失敗になります。
図2:日付は第20回(2026年7月時点)のものです。回ごとに変わるため、必ず申請する回の公募要領で確認してください。順番のうち、⑤より前に発注しないことだけは全制度に共通します。

この記事を書いている2026年7月時点では、第20回の申請受付はまだ始まっていません(受付開始は2026年11月5日)。つまり、いまは慌てて発注せずに準備できる、いちばん良い時期です。やることを順番に並べると、次のようになります。

  1. 自分が「小規模事業者」に当たるか確認する
    従業員の人数が業種ごとの基準に収まっているか。ここが外れると、そもそも対象になりません。
  2. 地元の商工会・商工会議所に相談する
    窓口での相談は費用がかかりません。自分の地域独自の補助金がないかも、ここで一緒に聞けます。
  3. ホームページ以外の販路開拓もセットで考える
    ウェブサイト関連費だけでは申請できないため、チラシや展示会など「ほかの経費」を計画に含めます。
  4. GビズIDプライムを取得しておく
    申請に必要なログインIDです。取得に時間がかかるので、早めに手続きしておくと安心です。
  5. 見積もりを取る(ただし発注はしない)
    申請には金額の根拠が必要です。見積書はもらっても、契約・発注は交付決定のあとまで待ちます。
  6. 様式4の依頼と申請を、締切から逆算する
    様式4の締切が申請締切より前にあります。11月に入る前に段取りを決めておくと余裕が持てます。

審査があるため、申請すれば必ず受け取れるものではありません。公募要領にも、審査の結果によって不採択になる場合や、申請額から減額される場合があると明記されています。「採択されたら助かる」くらいの位置づけで資金計画を立てておくのが安全です。

06「使わない」判断が正しいこともあります

ここは、ホームページを作る側の立場から正直に書きます。補助金を使うことが、いつも得とは限りません。

補助金には、金額として見えないコストがついてきます。計画書を書く時間、商工会・商工会議所とのやりとり、制作費の全額立替、期間内に公開しなければならない締切、実績報告の書類集め。そして50万円(税抜)以上なら数年間の処分制限。これらの負担が、受け取れる額を上回ってしまう規模があるということです。

状況補助金を使う使わずに進める
ほかにも販促の予定がある(チラシ・展示会など)相性が良い。まとめて1つの計画にできる
ホームページだけ作りたい単独申請ができないため、そのままでは難しいこちらが素直。すぐ着手できる
数か月以内に公開したい受付開始・審査を待つ必要があり、間に合わないことも時期を自分で決められる
手元の資金に余裕が少ないいったん全額立替が必要。入金までの期間を耐える必要がある金額を抑えれば負担を小さくできる
書類作業が苦手・時間がない計画書と実績報告の手間が続く手間はほぼゼロ

xFactory のホームページ制作は税別50,000円(税込55,000円)、公開後の運用サポートが月額 税別2,000円(税込2,200円)です。この価格帯だと、補助金の事務手続きにかける時間のほうが重くなりがちで、正直なところ相性は良くありません。50万円(税抜)未満なので処分制限財産にも当たらず、作り替えの自由も残ります。「補助金が取れたら作る」ではなく、先に小さく公開して、動かしながら育てるほうが早いことが多い、というのが私たちの実感です。

逆に、ECサイトや予約システムまで含めて本格的に作りたい、チラシや展示会も同じ時期にやる予定がある——そういう計画なら、持続化補助金はしっかり検討する価値があります。「補助金があるから作る」ではなく「やりたいことが先にあって、使える制度があれば使う」。この順番だけ守っていただければ、大きく外すことはありません。

申請代行をうたう業者には注意してください。これは私たちが言っているのではなく、公募要領そのものが注意を促しています。「提供するサービスの内容と乖離した『高額なアドバイス料金』を請求される業者等にご注意ください」という一文が入っています。さらに、商工会・商工会議所を除く第三者から支援を受けた場合は、その相手と金額を申請書に書く義務があり、書かないと虚偽の報告として不採択・交付決定取消になるとも明記されています。まずは商工会・商工会議所の窓口——これが費用もかからず、いちばん確実な順番です。

ホームページの見積書そのものの読み方はホームページ制作の見積書、どこを見る?に、5万円で何ができて何ができないかは格安ホームページで何ができる?にまとめています。持続化補助金の申請書の書き方は持続化補助金でホームページ|記入例の書き方で扱っています。

FAQよくあるご質問

ホームページ制作だけで補助金は申請できますか?

2026年7月時点の小規模事業者持続化補助金(一般型 通常枠)第20回では、できません。公募要領に「ウェブサイト関連費のみによる申請はできません。必ず、ほかの経費と一緒に申請してください」と明記されています。チラシやパンフレットの作成、展示会への出展など、ほかの販路開拓の取り組みと組み合わせた計画にする必要があります。条件は公募回ごとに変わりますので、申請する回の公募要領でご確認ください。

IT導入補助金でホームページは作れますか?

2026年度から名称が「デジタル化・AI導入補助金」に変わっており、いずれの名称でもホームページ制作そのものは補助の対象外です。この制度は事務局に登録されたITツールの導入を支援するもので、登録の対象外となるものとして「ホームページ制作、サイト制作、WEBアプリ制作、スマートフォンアプリ制作、コンテンツ制作に供するもの」が挙げられています。予約や会計などの登録済みツールを導入する場合はそのツールの費用が対象になり得ますが、ホームページ本体の制作費は別のものと考えてください。

補助金は、支払ったあとすぐ受け取れますか?

いいえ、後払いです。第20回公募要領にも「補助事業遂行の際には自己負担が必要となり、補助金は後払いです」と書かれています。制作費はいったん全額を自分で支払い、事業が終わってから実績報告をして、内容の確認を経てから入金されます。手元の資金がいくら必要になるかを、申請を決める前に計算しておくことをおすすめします。

申請を手伝ってくれる業者に頼んでも大丈夫ですか?

頼むこと自体が禁止されているわけではありませんが、注意点が2つあります。ひとつは、第20回公募要領が「提供するサービスの内容と乖離した『高額なアドバイス料金』を請求される業者等にご注意ください」と自ら注意を促していること。もうひとつは、商工会・商工会議所を除く第三者から支援を受けた場合、その相手と支援に係る金額を申請書に記載する義務があり、記載がないと虚偽の報告として不採択・交付決定取消になると明記されていることです。まずは商工会・商工会議所の窓口に相談するのが、安全で費用のかからない順番です。

まとめ

長くなったので、持ち帰っていただきたいことを4つに絞ります。

  • 国の制度でホームページ代を見てもらう道は、小規模事業者持続化補助金の「ウェブサイト関連費」が実質ひとつ。ほかの経費とセットで申請し、補助は上限30万円(税込・第20回)
  • IT導入補助金(現・デジタル化・AI導入補助金)ではホームページ制作費は対象外。「使える」と書いてある記事は古いか、誤っています
  • 交付決定より前に発注すると対象外。様式4の締切は申請締切より前。お金は後払いで、いったん全額立替
  • 金額の小さいホームページなら、補助金を使わずに先に公開したほうが早いことも多い。「制度に合わせて作る」を目的にしない

数字や締切は公募回ごとに変わります。この記事の内容も2026年7月時点のものですので、実際に動く前に公募要領と、地元の商工会・商工会議所で最新の条件をご確認ください。作ったあとに「思ったように問い合わせが来ない」と感じたときの直し方はホームページを作ったのに集客できない理由にまとめています。

「うちの場合、補助金を待つべきか、先に作るべきか」——そのご相談だけでも歓迎です。無料相談で、ご状況をお聞かせください。制度の可否を判断するのは事務局や商工会議所ですので、私たちは制作の側から見た現実的な順番をお伝えします。

xFactory 編集部
ローカル業者の「つくる」を、手の届く価格に。現場で効くノウハウをお届けします。