「ホームページに『よくある質問』を作ったほうがいいと言われたけれど、何を書けばいいのか分からない」「例文を探して並べてみたものの、うちの店に合っている気がしない」。小さなお店を営む方から、こうしたご相談をよくいただきます。

先に答えを書きます。よくある質問は、ふだん電話や店頭で何度も答えていることを集めて、結論から短く書いておくページです。ネットの例文集から選ぶより、自分のお店で実際に聞かれた言葉から作るほうが、お客様にもAIにも伝わりやすい中身になります。最初は10問ほどあれば始められます。

この記事では、質問の集め方・選び方・答えの書き方を5つの手順にまとめ、業種別の質問例と、置き場所・見直し方まで紹介します。あわせて、2026年5月にGoogleの検索結果の見え方が変わった点(よくある質問が検索結果に開いて並ぶ表示の終了)にも触れます(2026年9月時点)。

01よくある質問は「毎回答えていること」の置き場所

よくある質問(FAQ=Frequently Asked Questions の略)のページには、大きく3つの役目があります。

  • お客様の側:来店や申し込みの前の不安を、夜中でも休みの日でも自分で確かめられる
  • お店の側:同じ説明を電話で何度もくり返す手間を減らしやすくなる
  • 検索・AIの側:お店のことを文章で説明しておける。Googleや、ChatGPTのようなAIが店を紹介するときの材料になる

3つ目を少し補足します。AIは、ページに文章で書いてあることを読みます。駐車場の有無や予約のルールがどこにも書かれていないと、AIは「分からない」と答えるか、ほかのサイトの古い情報で埋めてしまうことがあります。AIに間違った説明をされたときの直し方は、ChatGPTが自分の店を間違って説明するときの記事にまとめています。

反対に、よくある質問は宣伝を書く場所ではありません。「当店のこだわりは?」のような、お客様が実際には聞いていない質問を並べると、読む人は目当ての答えを探しにくくなります。原則は「聞かれていることに答える」です。

よくある質問は、電話口で毎回している説明を、文章にして置いておく場所。そう考えると、書くことはもう手元にあります。

02手順1・2|質問を集めて、1問1答に割る

最初の材料は、お店の中にあります。ここ1か月ほどをふり返って、「実際に聞かれた質問」を書き出すところから始めます。全体の流れは図1のとおりです。

よくある質問の作り方の流れ。電話や店頭、メールやLINE、クチコミ、スタッフの4か所から実際に聞かれた質問を集める。よく聞かれる、来店や申し込みの前に迷う、間違えるとトラブルになる、の3つのふるいにかける。最初は10問前後を公開し、あとから足していく。 1. 集める 2. ふるう 3. 公開して足す 電話・店頭で 聞かれたこと メール・LINEの 問い合わせ クチコミの 「迷った」「分かりにくい」 スタッフに聞く 「最近よく聞かれることは?」 よく聞かれる 駐車場・支払い方法 申込前に迷う 初めてでも大丈夫? 間違えると トラブルに キャンセルの扱い 1つでも当てはまれば候補 最初は 10問前後 1問1答・結論から 月1回見直す 新しく聞かれた 質問を1問ずつ足す
図1: よくある質問の作り方の流れ。例文集からではなく、実際に聞かれた質問から始めて、公開してから育てます。

集める場所は4つ

  • 電話や店頭で聞かれたこと(電話の横にメモを置き、1週間だけ書きとめるのも手です)
  • 予約や問い合わせのメール・LINEのやりとり
  • Googleマップのクチコミに書かれた「迷った」「分かりにくかった」という声
  • スタッフに「最近お客様によく聞かれることは?」と聞く

書き出すときは、お客様が使った言葉のまま残すのがコツです。「駐車場の有無について」ではなく「車で行っても大丈夫?」。この言い回しが、そのまま質問文になります。お客様が検索するときの言葉にも近いからです。

1つの質問に、1つの答え

集めた質問には、いくつかの話がくっついているものがあります。たとえば「予約は必要ですか?当日でも大丈夫?キャンセルはどうなりますか?」は、予約の要否・当日の扱い・キャンセルの3つの話です。1つにまとめて長い答えを書くと、キャンセルのことだけ知りたい人が最後まで読むことになります。答えが2つ以上の話題にまたがるときは、質問を分けてください。

03手順3|載せる質問を「3つのふるい」で選ぶ

集めた質問を全部載せる必要はありません。次の3つのうち、1つでも当てはまるものから優先します。

ふるい質問の例載せる理由
よく聞かれる駐車場はある?カードは使える?何時まで?電話で答える回数がいちばん多いところ
来店・申し込みの前に迷う初めてでも大丈夫?予約なしで入れる?費用はいくらくらい?迷ったまま、ほかの店を選ばれるのを防ぐ
間違えるとトラブルになるキャンセルの扱いは?対応していないことは?持ち物は?先に書いておくと「言った・言わない」を防ぎやすい

最初は10問前後を目安にしてください(決まった基準はなく、私たちがお手伝いしてきた中での目安です)。多すぎると目当ての質問が探しにくくなり、少なすぎると肝心の不安が残ります。公開してから、新しく聞かれた質問を足していけば十分です。

反対に、載せないほうがいい質問もあります。「私の場合はどうですか?」のように、一人ひとりの状況で答えが変わるもの(体の状態に合う施術、工事の見積もり金額など)です。無理に一般論で答えると、誤った案内になります。「お電話でご相談ください」と正直に書き、連絡先を添えるほうが親切です。

04手順4|答えは「結論 → 条件 → 次の行動」の順に

答えの書き方には、ひとつだけ大きなコツがあります。最初の一文で結論を言い切ることです。そのあとに条件や例外、最後に「次にどうすればいいか」を添えます。

答えの書き方の3段。質問「子ども連れでも大丈夫ですか?」に対して、1段目の結論は「はい、大丈夫です」。2段目の条件・例外は「ベビーカーのまま入れる席は2席です」。3段目の次の行動は「土日のお昼はご予約をおすすめします」。 Q. 子ども連れでも大丈夫ですか?(飲食店の例) ① 結論 はい/いいえを最初に 「はい、大丈夫です。」 ② 条件・例外 「ただし」を具体的に 「ベビーカーのまま入れる席は2席です。」 ③ 次の行動 どうすればいいか 「土日のお昼は、ご予約をおすすめします。」
図2: 答えの3段。結論が最初にあると、スマートフォンで流し読みしている方にも、1行目で答えが届きやすくなります(席数などは説明のための例です)。

よくある「惜しい答え」と、直した例を並べます。言っている中身はほとんど同じでも、読む側の負担が違います。

質問惜しい答え直した答え
カードで支払えますか?各種キャッシュレス決済に対応しておりますが、一部ご利用いただけないものもございますので、詳しくはスタッフまでお問い合わせください。はい、使えます。クレジットカードと交通系ICに対応しています。使えない支払い方法は、この下の一覧をご覧ください。
子ども連れでも大丈夫ですか?お子様連れのお客様にも多数ご来店いただいております。はい、大丈夫です。ベビーカーのまま入れる席は2席です。土日のお昼は、ご予約をおすすめします。
見積もりにお金はかかりますか?お見積もりについては内容により異なりますので、まずはお気軽にご相談ください。見積もりは無料です。現地の確認が必要な場合も、費用はいただきません。ご依頼いただくかどうかは、見積もりを見てからお決めください。

※ 表の答えは書き方の例です。対応している支払い方法や見積もりの扱いは、お店ごとの実際に合わせて書いてください。

書くときに気をつけたいことを3つ挙げます。

  • 専門用語や店の中だけの言葉を使わない(「カット&ブロー」→「カットと、乾かしてスタイリングまで」など)
  • 料金や数字は、変わったときに直せる範囲だけ書く。料金を書くときは、税込か税抜かを必ず添える
  • 「必ず」「絶対」と言い切りすぎない。例外がある約束を書くと、あとで困るのはお店の側です

05業種別の質問例|ここから選んで、自分の言葉に直す

自分のお店で聞かれた質問がなかなか思い浮かばないときの「呼び水」として、業種ごとの例を挙げます。そのまま使うのではなく、実際に聞かれたことがあるかを確かめてから、お店の言葉に直してください。

業種来店・申し込みの前に迷うことトラブルを防ぐための質問
飲食店子ども連れでも大丈夫?個室はある?予約なしで入れる?予約のキャンセルはいつまで?アレルギーの相談はできる?
美容室・整体院初めてでも大丈夫?どのくらい時間がかかる?遅れそうなときは?キャンセルの扱いは?
工務店・リフォーム小さな修理でも頼める?見積もりは無料?どこまで来てくれる?工事中の音や車の置き場所は?追加の費用が出るのはどんなとき?
教室・塾体験はできる?途中からでも入れる?休んだ回の振り替えは?やめるときの手続きは?
士業・相談業相談だけでもいい?オンラインでもできる?相談した内容の秘密は守られる?費用はいつ決まる?

キャンセルの扱いのように、お店のルールを先に決めないと書けない質問もあります。そうした質問は、よくある質問を作る作業が、そのままお店のルールを整える機会になります。キャンセルのルールの決め方は、キャンセルポリシーの書き方の記事で詳しく紹介しています。

06手順5|置き場所と、見直しの続け方

置き場所は「専用ページ+迷うところ」

「よくある質問」のページを1つ作り、メニューから行けるようにするのが基本です。それに加えて、次の2か所にも関係する質問を置くと、迷っているお客様の目に届きやすくなります。

  • 料金やメニューのページの下(「料金はいくら?」の次に浮かぶ疑問に、その場で答える)
  • お問い合わせ・予約フォームの手前(最後の不安を解消してから進んでもらう)

質問を押すと答えが開く形(アコーディオン)にすると、スマートフォンでも一覧しやすくなります。そして、答えは画像やPDFではなく、文章で書くことが大切です。画像の中の文字は、検索やAIには読み取りにくくなります。

「FAQの構造化データ」は急がなくていい

制作会社などから「よくある質問に構造化データ(検索エンジン向けの目印となる、プログラム用の記述)を入れると、検索結果に質問と答えが表示されます」と勧められることがあるかもしれません。これは、2026年9月時点のGoogle検索には当てはまりません。

Googleのサイト運営者向け公式情報「Google 検索セントラル」の更新履歴によると、よくある質問を検索結果に開いて表示する機能(FAQリッチリザルト)は、2026年5月7日以降、Google検索に表示されなくなりました(2026年9月時点で更新履歴を確認)。同年6月には、この機能の説明ページ自体も削除されています。それ以前、2023年8月の時点ですでに、表示は「よく知られた、権威ある政府機関や保健衛生関連のサイト」に限られていました。

また、Googleが2026年5月に公開したサイト運営者向けの手引きでは、生成AIによる検索のために特別な構造化データを追加する必要はない、という趣旨が示されています(当ブログで2026年8月時点に確認。詳しくは「AIによる概要」で集客は減る?の記事)。大事なのは目印よりも、ページに書いてある文章そのものです。すでに構造化データが入っている場合も、Googleは2023年の発表で「使われていない構造化データが検索に問題を起こすことはない」としており、慌てて外す必要はありません。この目印のためだけに追加の費用を払う前に、一度立ち止まってみてください。

見直しは月1回。答えられなかった質問を足す

よくある質問は、公開してからが本番です。月に1回、次の2つだけ確かめてください。

  • この1か月で、よくある質問に載っていないことを聞かれなかったか(聞かれたら、1問足す)
  • 営業時間・料金・メニューを変えたのに、答えが古いままになっていないか

ホームページとGoogleマップの情報欄(Googleビジネスプロフィール)で答えが食い違うと、お客様はどちらを信じればいいか迷います。変えたときは、同じ日に両方を直すのが安全です。Googleマップ側の整え方は、MEO対策を自分でやる手順の記事で紹介しています。

書いている側の立場

私たちはホームページ制作やMEO対策(Googleマップで見つけてもらいやすくする取り組み)をお手伝いしている会社です。ホームページ制作は 税別50,000円(税込55,000円)、公開後の運用は月額 税別2,000円(税込2,200円)でご案内しています(2026年9月時点)。ただ、この記事に書いた質問の集め方や答えの書き方は、どれもご自身で進められることです。AIに見つけてもらうための全体像は、ChatGPTに自分の店を見つけてもらうには?の記事も参考になります。

※ 本記事は2026年9月時点の情報です。Googleの機能については、Google 検索セントラル「ドキュメントの最新の更新内容」(2026年5月8日・6月15日の項)と、Google 検索セントラル ブログ「Changes to HowTo and FAQ rich results」(2023年8月8日)の記載をもとにしています。検索の仕様は変わることがあるため、最新の情報は公式ページでご確認ください。表や図の答え・席数などは書き方の例です。本記事は特定の会社やサービスを批判する意図はなく、集客の効果を保証するものでもありません。

FAQよくあるご質問

よくある質問は、何問くらいから始めればいいですか?

最初は10問前後が目安です(決まった基準はなく、私たちがお手伝いしてきた中での目安です)。よく聞かれる質問、来店や申し込みの前に迷う質問、間違えるとトラブルになる質問から選びます。公開したあとに新しく聞かれた質問を1問ずつ足していけば、無理なく育てられます。

ほかのお店のよくある質問を参考にしてもいいですか?

どんな質問があるかを知る参考にするのは構いません。ただ、答えの文章を写すのはやめましょう。他人の文章をそのまま使うと著作権の問題になり得るうえ、自分のお店のルールと合わない答えになりがちです。質問は実際に聞かれたことがあるかを確かめ、答えはお店の言葉で書いてください。

よくある質問のページを作れば、検索の順位は上がりますか?

順位が上がるとはお約束できません。また、Googleは、よくある質問を検索結果に開いて表示する機能を2026年5月7日以降終了しています(2026年9月時点)。一方で、お客様が知りたいことに答えるページは、来店や問い合わせの前の迷いを減らす助けになります。順位のためではなく、お客様のために書くことをおすすめします。

ChatGPTのようなAIにも、よくある質問は読まれますか?

AIがどのページをどう使うかはサービスごとに仕組みが異なり、外から確かめきることはできません。ただ、ページに文章で書かれていない情報は、AIも正しく伝えようがありません。駐車場や予約のルールなど、お客様が知りたいことを文章で書いておくことが、AIに間違った紹介をされにくくするための土台になります。

+まとめ

よくある質問は、電話や店頭で毎回している説明を、文章にして置いておく場所です。手順は5つ。①実際に聞かれた質問を集める ②1問1答に割る ③3つのふるいで10問前後に絞る ④結論→条件→次の行動の順で答える ⑤置き場所を決めて、月1回足す。

検索結果によくある質問が開いて並ぶ表示は2026年5月で終わりましたが、お客様とAIに向けて文章で答えておく意味は変わりません。むしろ、目印の小技が効かなくなったぶん、中身の正確さと分かりやすさがそのまま問われるようになった、と考えるのが自然です。

「質問は集めたけれど、書き方を一緒に見てほしい」という段階のご相談も歓迎です。いまのホームページを一緒に見ながら整理します。無料相談は15分から承っています。

xFactory 編集部
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